税金の落とし穴

2016.05.17

相続税の申告・遺言の有無と遺言控除案の行方について

相続税の基礎控除額の引下げによる増税の最中に、昨年浮上してきた相続税を減税する遺言控除は、相続税の基礎控除に上乗せして一定額を控除する新たな控除制度の創設案でした。その遺言控除は、相続について遺言に基づいた遺産分割を促進し遺産分割をめぐる紛争を抑止することや介護による貢献に見合った遺産相続を促進することを目的に「自民党内の家族の絆を守る特命委員会」が、亡くなった被相続人の遺言に基づいて相続がされた場合に有効な遺言による相続を条件として一定額を相続税の基礎控除額に上乗せして控除するという相続税の減税案です。早ければ平成29年度税制改正での実施を目指すと報じられている遺言控除ですが、賛否両論があり今後も注視していかなければなりません。 相続税の申告を依頼された場合には、依頼者に民法の相続制度について説明して理解を得て業務を進めていきます。相続財産の分割などの相続に関する手続や申告業務は、遺言の有無によって大きく異なるため、相続が開始した場合には、まず遺言があるかどうかや遺言書があったときは、それが適法かつ有効なものかどうかを確認します。

1.一般的な普通方式の遺言の3種類について

民法に規定する遺言の方式には、一般的な普通方式である3種類と特別方式である4種類がありますが、これ以外の方式の遺言は認められていませんので注意が必要です。民法の条文確認は、遺言の種類と方法を御覧下さいませ。
一般的な普通方式の遺言である自筆証書遺言、公正証書遺言及び秘密証書遺言の3種類は以下の通りです。
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(1)自筆証書遺言
① 自筆証書遺言は、その全文と日付及び氏名を遺言者が自筆して遺言書に印を押す方式をいいます。全文を自筆することが必要であり、代筆、タイプライター、録音テープなどによるものは遺言としての効力は認められていませんので注意が必要です。
② 複数の遺言があった場合に何れの遺言を有効とするかを判定するための日付、氏名、実印である必要はありませんが捺印のいずれを欠いても、その遺言は無効となります。
氏名については、氏または名だけの自筆であっても遺言者が特定されれば、その有効性は認められていますが、遺言の確実を期するためには氏及び名を記載する方がよいといえます。
③ 自筆証書中の加除やその他の変更要件については、極めて厳格で遺言者が変更した場所を指示して、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、その変更の場所に印を押さなければ効力がありませんので注意して下さい。

(2)公正証書遺言
公正証書遺言は、公証人によって公正証書として作成してもらい更に公証人役場に保管される方式の遺言をいいます。例えば、遺言者の自宅や入院先の病室など公証人役場以外の場所で作成してもらうこともできますので便利です。
公正証書遺言作成の要件は、次のとおりです。
① 2人以上の有資格の証人が立合うこと。
この場合の有資格の証人とは、「(ⅰ)未成年者、(ⅱ)禁治産者、準禁治産者、(ⅲ)推定相続人、受遺者及びその配偶者並びに直系血族、(ⅳ)公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び雇人」以外の者をいいます。
② 遺言者が、遺言の趣旨を公証人に口頭で述べること。
したがって、文書の朗読による口頭の陳述は認められますが、文書を単に公証人に渡すだけではいけないことになります。
③ 公証人が遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせること。
④ 遺言者及び公証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。但し、遺言者が署名することができない場合には、公証人がその事由を付記して署名に代えることができます。
⑤ 最後に公証人が、その証書を①から⑤の方式に従って作成したものである旨を付記してこれに署名し、印を押すこと。

(3)秘密証書遺言
秘密証書遺言は、遺言の内容を秘密にするため封をしますが、その遺言の存在を明確にするため公証人に提出しておく方式の遺言をすることもできます。
秘密証書遺言作成の具体的な手順は次の通りです。
① 遺言者が遺言証書を作成し、これに署名し、印を押すこと。
遺言証書は自筆である必要はなく、代筆やタイプライターその他点字機の使用も認められますが、署名については必ず自筆が要件とされています。しかし、加除変更については自筆証書遺言の場合と同じ方式でしなければなりませんので注意が必要です。
② 遺言者が、その証書を封じ、証書に用いたのと同じ印章で封印すること。
③ 遺言者が公証人1人及び証人2人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨とその筆者の氏名、住所を申述すること。
証人欠格は、公正証書遺言の場合と同じです。筆者の氏名、住所の申述は、後日、遺言内容に疑義が生じた場合の便宜のために行います。
④ 公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。
以上の要件を満たさないと秘密証書遺言としては無効となります。それが自筆証書遺言の方式を具備するものであれば、自筆証書遺言としての効力が認められます。
例えば、遺言証書の印と異なる印章で封印すると、秘密証書遺言としては無効となりますが、遺言者が、証書の全文を自筆し、日付も記載されているときは、自筆証書遺言として有効になります。

2.特別方式の遺言の4種類について

特別方式の遺言とは、普通方式による遺言が困難又は不可能な場合に認められる方式です。具体的には、①死亡危急者の遺言、②伝染病隔離者の遺言、③在船者の遺言、④船舶遭難者の4種類の遺言が認められています。依って、特別方式の遺言は、遺言者が普通方式による遺言ができるようになった時から6ヶ月間生存するとその効力が失われることになっています。

① 死亡危急者の遺言について

疾病その他の事由で危篤に陥った者が遺言をしようとするときは、証人3人以上の立会いのうえ、遺言の趣旨を口述し、証人の1人が筆記することにより行われます。
その筆記者は、遺言者と他の証人にその内容を読み聞かせ、各証人がその筆記の正確なことを承認した後、これに署名し、押印しなければなりません。
この遺言は、遺言のあった日から20日以内に、証人の1人または利害関係人から家庭裁判所に請求し、その確認を得て有効になります。

② 伝染病隔離者の遺言について

伝染病のため行政処分によって交通を断たれた場所に在る者は、警察官1人と証人1人以上の立会いのうえ、遺言書を作ることができます。
伝染病患者でなくても、その場所からの外出を禁じられている者は、この方式による遺言ができます。伝染病以外の理由で行政処分が行われた場合(例えば刑務所内にある者)も同様であると解されています。

③ 在船者の遺言について

船舶中に在る者は、船長または事務員1人及び証人2人以上の立会いのうえ、遺言書を作ることができます。

④ 船舶遭難者の遺言について

船舶が遭難した場合に、その船舶中にあって危篤に陥った者は、証人2人以上の立会いをもって、口頭で遺言をすることができます。しかし、この遺言は、証人が遺言の趣旨を筆記し、これに署名、押印し、かつ、証書の1人または利害関係人から遅滞なく家庭裁判所に請求して確認を得なければ効力を生じません。死亡の危急と船舶の遭難が重なった場合であるため、要件が緩和されています。

3.遺言書の保管と遺言の執行について

公正証書遺言については、原本を公証人が150年保管管理しており、遺言書が破棄・隠匿された場合でも公証人役場で謄本を入手することができます。全国のすべての公正証書遺言がオンラインで一元管理されており、遺言者の死亡後であれば、全国いずれの公証人役場でもその有無が確認できるようになっています。
公正証書遺言による遺言書以外の遺言書の保管については、特に規定はなく、遺言者自らの責任で行う必要があります。遺言者が死亡したならば、公正証書遺言による遺言書以外の遺言書については、その遺言書の保管者又は発見者は、相続の開始を知った後、遅滞なくこれを家庭裁判所に提出して、その検認を受けなければなりません。自筆証書遺言については、封印のある遺言書を家庭裁判所以外の場所で開封をした場合や検認を怠った場合には、5万円以下の過料に処することとされています。
この家庭裁判所の検認は、証拠保全手続ですから、改変のおそれがなく形式の確実な公正証書遺言では検認を必要としません。秘密証書遺言のように封印のある遺言書の検認には、開封が必要であることから、家庭裁判所において相続人またはその代理人の立会いのもとで開封してもらうことになります。
遺言の効力が発生すると、その内容のいかんによっては、遺言内容を実現する者を必要とする場合があります。これを遺言執行者といい、遺言によって指定されまたは遺言で指定を委託された第三者によって指定されることになります。また、利害関係人の請求によって家庭裁判所で選任される場合もあります。
遺言執行者は、財産目録の作成、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有することになります。

2016.05.13

相続税の申告における相続人の確認と法定相続分など相続分について

相続税の申告では民法の規定により相続人を確認します。その相続分について遺言のない相続では法定相続分、特別受益者の相続分、遺留分、寄与分など民法の規定をめぐって遺産分割の争いとなることも少なくありません。相続税の総額の基となる税額を算出するときに民法に定める法定相続分に従って取得したものとして法定相続分に応ずる各法定相続人の取得金額を求めますが、今回はまず最初に民法の規定から相続人の範囲や法定相続分など相続分について確認してみましょう。

1.相続人の範囲について

死亡した人の配偶者は常に相続人となり、配偶者以外の人は、次の順序で配偶者と一緒に相続人になります。 相続を放棄した人は初めから相続人でなかったものとされます。相続を放棄した人とは、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所に相続の放棄の申述をした人のことをいいます。相続の放棄の申述をしないで、事実上、相続により財産を取得しなかった人はこれに該当しません。
また、内縁関係の人は、相続人に含まれませんので注意が必要です。

(1) 第1順位は、死亡した人の子供です。

その子供が既に死亡しているときは、その子供の子供や孫など直系卑属が相続人となります。子供も孫もいるときは、死亡した人により近い世代である子供の方を優先します。

(2)第2順位は、 死亡した人の父母や祖父母など直系尊属です。

父母も祖父母もいるときは、死亡した人により近い世代である父母の方を優先します。 第2順位の人は、第2順位の人がいないときに相続人となります。

(3)第3順位は、死亡した人の兄弟姉妹です。

その兄弟姉妹が既に死亡しているときは、その人の子供が相続人となります。
第3順位の人は、第1順位の人も第2順位の人もいないときに相続人となります。

2.相続人の法定相続分について

民法に定める法定相続分は以下の通りですが、相続人の間で遺産分割の合意ができなかったときの遺産の取り分とも言えます。法定相続分は相続税の総額の基となる税額を算出するときにも用いますが必ずしもこの相続分で遺産の分割をしなければならないわけではありませんので注意が必要です。以下において子供、直系尊属、兄弟姉妹がそれぞれ2人以上いるときは、原則として均等に分けます。

(1)配偶者と子供が相続人である場合

配偶者1/2 子供1/2(2人以上のときは全員で1/2)

(2)配偶者と直系尊属が相続人である場合

配偶者2/3 直系尊属1/3(2人以上のときは全員で1/3)

(3)配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合

配偶者3/4 兄弟姉妹1/4(2人以上のときは全員で1/4)

3.相続人の確認と相続人の確定方法等について

(1)戸籍謄本の収集による相続人の確認について

① 相続税の申告実務では、被相続人と相続人の関係を明らかにして相続人を特定するために、被相続人と相続人の戸籍謄本(戸籍の全部事項証明書)を収集しています。
② 不動産の相続登記において、登記原因証明情報(相続証明書)を添付しなければならないので、相続人に漏れのないことを証するために被相続人の出生時から(不動産の登記実務においては被相続人の13歳ころからの場合もある様です。)死亡時までの連続した戸籍謄本を収集します。
③ 戸籍は、明治4年の戸籍法の制定により編成されたのが最初です。その後数次にわたって様式が改められて現在行の様式は、昭和22年に制定されたものです。平成6年に戸籍法の改正があり、戸籍を磁気ディスクで調製するという戸籍のコンピュータ化が行われています。 戸籍の様式が変更されると戸籍事項が旧戸籍から新戸籍に移記されますが、これを戸籍の改製といいます。新戸籍が編成された場合の旧戸籍を改製原戸籍といいます。そこで戸籍のコンピュータ化によって調整されると紙ベースによる戸籍は、改製原戸籍となります。
④ 戸籍の改製により新戸籍に記載される者は、その時点で籍を有する者だけであって既に除籍された者は記載されないので、相続人を確認する相続証明書の作成に当たって通常の場合は、改製原戸籍を含めた複数の戸籍が必要になります。
⑤ 戸籍のコンピュータ化によって各市区町村で発行される証明は、それぞれ以下の通りです。
イ.コンピュータ媒体による証明書類の場合
・戸籍の全部事項証明書・戸籍の個人事項証明書・戸籍の一部事項証明書・除かれた戸籍の全部事項証明書・除かれた戸籍の個人事項証明書・除かれた戸籍の一部事項証明書
ロ.紙媒体による証明書類の場合
・戸籍謄本・戸籍抄本・戸籍の記載事項証明書・除籍謄本・除籍抄本・除籍の記載事項証明書

(2)戸籍謄本の収集方法について

① 戸籍謄本(戸籍の全部事項証明書)等は、その人の本籍地の市区町村役場に戸籍謄本等請求書を提出して交付を受けることができます。
ただし、戸籍には個人のプライバシーに関することが記載されているため、戸籍謄本等は原則として戸籍筆頭者のほかに、その人の配偶者や直系卑属及び直系尊属以外の人は請求することはできないことになっています。
② 委任により弁護士、司法書士、税理士等が相続や相続税の申告など職務上の必要に基づいて独自に戸籍謄本等の交付を請求することは可能です。この場合には、請求者の資格の確認のために一定の統一用紙によることとされています。私達、税理士の場合には相続税申告の税務代理にあたり「戸籍謄本・住民票の写し等職務上請求書」により交付請求を行っています。この職務上請求書は、所属税理士会が交付した交付番号付きの用紙のみが有効であり、これをコピーして使用することは禁止されていますので依頼される場合には確認して下さい。

(3)戸籍謄本等の見方と収集の範囲について

戸籍には、本籍及び氏名(戸籍筆頭者)の他に、「戸籍事項」として戸籍の編成事由、編成した年月日などの記載があり、「身分事項」として出生、婚姻、養子縁組、認知、死亡などの記載があります。以下の戸籍を収集すれば、相続の証明ができるとともに相続人を確定することになります。
① コンピュータ化された戸籍の全部事項証明書では、身分事項欄に死亡と記載され、例えば私が死亡した場合には、被相続人田中操が死亡日平成○○年○月○日死亡時分○時○○分に死亡して、戸籍に記載されている者欄に除籍と記載されることになります。この除籍を記載した戸籍には、戸籍事項欄の戸籍改製として平成○○年○月○日と戸籍改製日が記載されており、改製事由として「平成6年法務省令第51号附則第2条第1項による改製」などと記載されています。そこで、この戸籍は、被相続人の戸籍編成時(平成○○年○月○日)から死亡時までの戸籍であることが確認できます。
② そこで戸籍謄本等の収集範囲は、平成○○年○月○日以前の戸籍(改製原戸籍)に遡っていく必要があります。したがって、被相続人の出生時までの改製原戸籍を遡って収集することになります。
③ 被相続人の相続人である子が婚姻をしていれば、同人の新たな戸籍が編成されるために除籍されているので、その子が生存していることを確認するため、同人の戸籍も収集する必要があります。

4.相続人の指定相続分について

再び相続分についてですが、被相続人は遺言によって共同相続人の全部又は一部の人について、その相続分を指定し又はその指定を第三者に委託することができます。相続分の指定がある場合には、法定相続分に優先することになります。
共同相続人の一部の人について相続分の指定があった場合の他の相続人の相続分は、民法第902条2項の規定により、指定相続分以外の部分を法定相続分で配分することになります。また、民法第902条1項但し書きの規定により、その相続分の指定に当たっては、遺留分の規定に反することはできないとされていますが、遺留分に反する指定をした遺言が直ちに無効になるわけではなく、遺留分を侵害された人は、他の相続人又は受遺者に対して減殺の請求をして相続財産を確保することとされています。

5.特別受益者たる相続人の相続分について

共同相続人間の実質的な公平を図るために、共同相続人のうちに被相続人から遺贈を受け又は生前贈与を受けている人を特別受益者として、相続分の算定において持戻し計算をする旨を民法は規定しています。
特別受益がある場合の持戻し計算は、未分割遺産がある場合の相続税の課税価格の計算にも採用されています。相続人間で遺産分割をめぐる紛争が生じた場合には、この特別受益の有無とその価額や算定時期が問題となり当事者にとっては重要な関心事となっています。明らかに特別受益に該当するものであっても被相続人が遺言等で特別受益を考慮せずに相続分を算定するという意思表示をしたときには、遺留分に反しない範囲内で有効なものとしています。

6.相続人の寄与分について

いわゆる寄与分制度として民法の規定により「共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加につき特別の寄与をした者」については、法定相続分・指定相続分・特別受益者の相続分とは別に相続財産を取得できることとしています。
そこで相続分に関して、この寄与相続分を主張する相続人がいる場合があり遺産分割協議が紛争になることも少なくありませんが、寄与分は通常の寄与ではなく特別の寄与があった場合にのみ認められることを踏まえて遺産分割協議をされることを拙に願っています。

2016.05.07

相続税の申告と失踪宣告・遺産分割協議について

相続税の申告は民法の相続制度との関係が深く、行方不明者がいると遺産分割協議が出来ないことになります。そこで民法上の失踪宣告や戸籍法上の認定死亡という制度があります。相続税の実務は申告と民法の相続制度との兼ね合いは勿論ですが、特例的な税法の取扱いまで確認事項が幅広く存在します。遺言の有無の確認と検認等の手続き、相続人の確認と確定、相続分の確定、相続財産・相続債務の調査と確定、遺産分割と分割協議書の作成へと進みます。

1.行方不明者がいる場合の遺産分割協議

遺産分割協議は、共同相続人全員が協議することが大前提となります。そこで行方不明者がいると遺産分割協議は出来ないことになってしまいます。
(1)民法上の制度として行方不明者については、失踪宣告という制度があります。失踪宣告は7年以上生死不明の場合に配偶者、相続人などの利害関係人が家庭裁判所に失踪宣告の申し立てをすることが出来る制度です。失踪宣告が認められるとその人は死亡したものとみなされるため、残った相続人で遺産分割協議を行うことになります。
(2)しかし失踪宣告が認められるまでには長い期間を要し、いつまでも遺産分割協議ができないというのでは大変不都合です。このような場合には、他の共同相続人が利害関係人として家庭裁判所に財産管理人の選任を請求して、選任された財産管理人が遺産分割協議に参加することになります。
財産管理人は、不在者のために財産の保存、利用、改良する行為しか認められていないため、遺産分割協議を成立させるためには、改めて家庭裁判所の許可を得る必要があります。
(3)不在者の財産の管理
不在者の財産の管理については、民法第25条において、「従来の住所又は居所を去った者(不在者)が、その財産の管理人を置かなかったときは、家庭裁判所は利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同様とする。」と規定しています。
(4)管理人の権限
管理人の権限について、民法第28条において、「管理人は、民法第103条(下記(6)参照)に規定する権限を超える行為を必要とするときは、家庭裁判所の許可を得て、その行為をすることができる。不在者の生死が明らかでない場合において、その管理人が不在者の定めた権限を超える行為を必要とするときも同様とする。」と規定しています。
(5)失踪の宣告
失踪の宣告について、民法第30条において、「不在者の生死が七年間明らかでないときは、家庭裁判所は利害関係人の請求により失踪の宣告をすることができる。」と規定しています。
(6)権限の定めのない代理人の権限
権限の定めのない代理人の権限について、民法第103条において、「権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する。 一 保存行為 二 代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為」と規定しています。

2.失踪宣告とその取り消し

(1)失踪宣告
生死不明の状態が普通失踪の場合は7年間、特別な危難に遭遇した場合の特別失踪は危難が去ってから1年間、それぞれ継続している場合には、その生死不明の不在者に対する失踪宣告をすることについて、法律上の利害関係者が家庭裁判所に失踪宣告の請求をして家庭裁判所の失踪を宣告する裁判があったことにより、その不在者は死亡したものとして相続が開始します。ところで、失踪宣告の申立がされると家庭裁判所の調査官により申立人や不在者の親族に対して調査が行われます。その調査後に官報や家庭裁判所の掲示板で家庭裁判所が定めた3ヶ月以上の期間内(危難失踪の場合は1ヶ月以上の期間内)に、不在者は生存の届出、不在者の生存を知っている人はその届出をするように催告します。その届出期間内に届出などがなかったときに失踪の宣告がなされます。失踪宣告の審判を請求した者は、失踪宣告の審判が確定してから10日以内に失踪の届出の戸籍の届出を行う必要があります。この失踪宣告の制度は、従来の住所または居所を去って帰来しない者(生死不明の不在者)をいつまでも生存者として取り扱うと、その財産関係や身分関係が不確定な法律状態のまま放置すると不都合が生ずるために設けられている制度です。
(2)失踪宣告の取り消し
失踪宣告を受けた者の生存が確認された場合や失踪宣告により死亡したとみなされた時と異なる時に死亡したことが後日証明された場合には、家庭裁判所は本人又は利害関係人の請求により、失踪宣告を取り消すことになります。失踪宣告が取り消されると失踪宣告は初めからなかったこととして取り消されます。民法は一定の制限を設けた上で失踪宣告を原因とする法律関係は全て復活して相続した財産も移動が生じることになります。
(3)失踪の宣告
失踪の宣告について、民法第30条において、「① 不在者の生死が七年間明らかでないときは、家庭裁判所は利害関係人の請求により失踪の宣告をすることができる。 ② 戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ。戦争が止んだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後1年間明らかでないときも、前項と同様とする、」と規定しています。
(4)失踪の宣告の効力
失踪の宣告の効力について、民法第31条において、「前条第1項の規定により失踪の宣告を受けた者は同項の期間が満了した時に、同条第2項の規定により失踪の宣告を受けた者はその危難が去った時に、死亡したものとみなす。」と規定しています。
(5)失踪の宣告の取り消し
失踪の宣告の取り消しについて、民法第32条において、「① 失踪者が生存すること又は前条に規定する時と異なる時に死亡したことの証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求により、失踪の宣告を取り消さなければならない。この場合において、その取り消しは、失踪の宣告後その取り消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。 ② 失踪の宣告によって財産を得た者は、その取り消しによって権利を失う。ただし、現に利益を受けている限度においてのみ、その財産を返還する義務を負う。」と規定しています。

3.認定死亡

認定死亡は、水難や火災その他の事変により死体は発見されないが死亡が確実である場合に、取り調べをした官庁等が死亡地の市町村長に死亡の報告をすることによって戸籍簿に死亡の記載がされます。認定死亡は死亡を事実として認定するものであり、失踪の宣告のように死亡とみなす制度ではなく、取り消しの制度もありませんので戸籍の記載の誤りは裁判上で個々に争って訂正することになります。
(1)戸籍法第86条において、「① 死亡の届出は、届出義務者が死亡の事実を知った日から7日以内(国外で死亡があったときは、その事実を知った日から3箇月以内)に、これをしなければならない。 ② 届出には次の事項を記載し、診断書又は検案書を添付しなければならない。 一 死亡の年月日時分及び場所 二 その他法務省令で定める事項」と規定しています。
(2)戸籍法第89条において。「水害、火災その他の事変によって死亡した者がある場合には、その取り調べをした官庁又は公署は、死亡地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。但し、外国又は法務省令で定める地域で死亡があったときは、死亡者の本籍地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。」と規定しています。

2016.05.02

消費税の軽減税率の適用対象とケータリングや出張料理の場合

ケータリングや出張料理は、消費税の軽減税率の適用対象となる飲食料品の譲渡には含まれないとされています。相手方が指定した場所において行う役務を伴う飲食料品の提供であっても一定の基準を満たす飲食料品の提供については、消費税の軽減税率の適用対象とされています。ケータリングや出張料理の場合、家事代行の場合、有料老人ホームの飲食料品の提供の場合、学生食堂の場合、病院食の場合の事例を国税庁消費税軽減税率制度対応室が解説している「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」(個別事例編)の「外食の範囲」から整理すると以下の様になります。

1.ケータリングや出張料理の場合

軽減税率の適用対象となる飲食料品の譲渡には、相手方が指定した場所において行う加熱、調理又は給仕等の役務を伴う飲食料品の提供(いわゆるケータリング、出張料理)は含まれないこととされています。
(1)いわゆるケータリング、出張料理は、相手方が指定した場所で、飲食料品の提供を行う事業者が食材等を持参して調理して提供するものや、調理済みの食材を当該指定された場所で加熱して温かい状態で提供すること等をいい、具体的には以下のような場所が該当します。
① 相手方が指定した場所で飲食料品の盛り付けを行う場合
② 相手方が指定した場所で飲食料品が入っている器を配膳する場合
③ 相手方が指定した場所で飲食料品の提供とともに取り分け用の食器等を飲食に適する状態に配置等を行う場合
(2)したがって、いわゆる出張料理は、顧客の自宅で調理を行って飲食料品を提供していることから、相手方の指定した場所において行う役務を伴う飲食料品の提供に該当し、軽減税率の適用対象外となります。

2.軽減税率の適用対象とされるケータリング、出張料理の基準

相手方が指定した場所において行う役務を伴う飲食料品の提供であっても、次の施設において行う一定の基準を満たす飲食料品の提供については、軽減税率の適用対象とされています。その一定の基準は、下記①~⑦の施設の設置者等が同一の日に同一の者に対して行う飲食料品の提供の対価の額(税抜き)が一食につき640円以下であるもののうち、その累計額が1,920円に達するまでの飲食料品の提供であることとされています。また、累計額の計算方法につきあらかじめ書面で定めている場合にはその方法によることとされています。
① 老人福祉法第29条第1項の規定による届出が行われている有料老人ホームにおいて、当該有料老人ホームの設置者又は運営者が、当該有料老人ホームの一定の入居者に対して行う飲食料品の提供
その一定の入居者は、60歳以上の者、要介護認定・要支援認定を受けている60歳未満の者又はそれらの者の配偶者に限られます。
② 高齢者の住居の安定確保に関する法律第6条第1項に規定する登録を受けたサービス付き高齢者向け住宅において、当該サービス付き高齢者向け住宅の設置者又は運営者が、当該サービス付き高齢者向け住宅の入居者に対して行う飲食料品の提供
③ 学校給食法第3条第2項に規定する義務教育諸学校の施設において、当該義務教育諸学校の設置者が、その児童又は生徒の全て(※)に対して学校給食として行う飲食料品の提供
④ 夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律第2条に規定する夜間課程を置く高等学校の施設において、当該高等学校の設置者が、当該夜間課程において行う教育を受ける生徒の全て(※)に対して夜間学校給食として行う飲食料品の提供
⑤ 特別支援学校の幼稚部又は高等部における学校給食に関する法律第2条に規定する特別支援学校の幼稚部又は高等部の施設において、当該特別支援学校の設置者が、その幼児又は生徒の全て(※)に対して学校給食として行う飲食料品の提供
⑥ 学校教育法第1条に規定する幼稚園の施設において、当該幼稚園の設置者が、その施設で教育を受ける幼児の全て(1)に対して行う学校給食に準じて行う飲食料品の提供⑦ 学校教育法第1条に規定する特別支援学校に設置される寄宿舎において、当該寄宿舎の設置者が、当該寄宿舎に寄宿する幼児、児童又は生徒に対して行う飲食料品の提供
※ アレルギーなどの個別事情により全ての児童又は生徒に対して提供することができなかったとしても軽減税率の適用対象となります。

3.家事代行の場合

軽減税率の適用対象となる飲食料品の譲渡には、相手方が指定した場所において行う加熱、調理又は給仕等の役務を伴う飲食料品の提供(いわゆるケータリング、出張料理)は含まれないこととされています。
顧客の自宅で料理を行い、飲食料品を提供するサービスは、いわゆるケータリング、出張料理に該当しますので、軽減税率の適用対象外となります。

4.出前、配達など出張の適用税率

そばの出前、宅配ピザの配達は、顧客の指定した場所まで単に飲食料品を届けるだけであるため、飲食料品の譲渡に該当し、軽減税率の適用対象となります。
(注)顧客の指定した場所まで単に飲食料品を届けることは、食事の提供には該当せず、また、いわゆるケータリング、出張料理にも該当しません。

5.有料老人ホームの飲食料品の提供の場合

(1)軽減税率の適用対象となる有料老人ホームにおいて行う飲食料品の提供とは、老人福祉法第29条第1項の規定による届出が行われている有料老人ホームにおいて、当該有料老人ホームの設置者又は運営者が、当該有料老人ホームの一定の入居者に対して行う飲食料品の提供をいいます。
(2)また、軽減税率の適用対象となるサービス付き高齢者向け住宅において行う飲食料品の提供とは、高齢者の住居の安定確保に関する法律第6条第1項に規定する登録を受けたサービス付き高齢者向け住宅において、当該サービス付き高齢者向け住宅の設置者又は運営者が、当該サービス付き高齢者向け住宅の入居者に対して行う飲食料品の提供をいいます。
(3)これらの場合において、有料老人ホーム等の設置者又は運営者が、同一の日に同一の者に対して行う飲食料品の提供の対価の額(税抜)が一食につき640円以下であるもののうち、その累計額が1,920円に達するまでの飲食料品の提供であることとされています。
(4)ただし、設置者等が同一の日に同一の入居者等に対して行う飲食料品の提供のうち、その累計額の計算の対象となる飲食料品の提供(640円以下のものに限る。)をあらかじめ書面により明らかにしている場合には、その対象飲食料品の提供の対価の額によりその累計額を計算するものとされています。
(5)例えば、有料老人ホームで、税抜価格、朝食500円、昼食550円、夕食640円で、昼食と夕食の間の15時に500円の間食を提供している時は、あらかじめ書面により、その累計額の計算の対象となる飲食料品の提供を明らかにしていない場合は以下のとおりとなります。
朝食(軽減)   昼食(軽減)   間食(軽減)   夕食(標準)   合計(内軽減税率対象)
500<=640円 550<=640円 500<=640円 640<=640円 = 2,190円(1,550円)
(累計500円) (累計1,050円) (累計1,550円) (累計2,190円)
夕食は、一食につき640円以下ですが、朝食から夕食までの対価の額の累計額が1,920円を超えていますので、夕食については、軽減税率の適用対象外となります。
(6)なお、あらかじめ書面において、累計額の計算の対象となる飲食料品の提供を、朝食、昼食、夕食としていた場合は以下のとおりとなります。
朝食(軽減)   昼食(軽減)   間食(標準)   夕食(軽減)   合計(内軽減税率対象)
500<=640円 550<=640円 500<=640円 640<=640円 = 2,190円(1,690円)
(累計500円) (累計1,050円) 累計対象外(累計1,690円)

6.学生食堂の場合

(1)軽減税率の適用対象となる学校給食とは、学校給食法第3条第2項に規定する義務教育諸学校の施設において、当該施設の設置者が、その児童又は生徒の全てに対して学校給食として行う飲食料品の提供をいいますので、利用が選択制である学生食堂での飲食料品の提供はこれに該当しません。
(2)また、学生食堂での飲食料品の提供は、飲食設備のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供に該当しますので、軽減税率の適用対象外となります。
(3)学校給食法第3条第2項に規定する義務教育諸学校とは、
第3条 この法律で学校給食とは、前条各号に掲げる目標を達成するために、義務教育諸学校において、その児童又は生徒に対し実施される給食をいう。
第2項 この法律で義務教育諸学校とは、学校教育法に規定する小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校の前期課程又は特別支援学校の小学部若しくは中等部をいう。

7.病院食の場合

健康保険法等の規定に基づく入院時食事治療費に係る病院食の提供は非課税とされていることから、消費税は課されません。
なお、患者の自己選択により、特別メニューの食事の提供を受けている場合に支払う特別の料金については、非課税となりません。また、病室等で役務を伴う飲食料品の提供を行うものですので、飲食料品の譲渡に該当せず、軽減税率の適用対象外となります。

2016.05.01

消費税の軽減税率と食事の提供について外食の形式別事例

食事の提供で消費税の軽減税率の対象とならない外食の範囲について国税庁消費税軽減税率制度対応室が解説している「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」(個別事例編)の「外食の範囲」から軽減税率の適用対象外となる食事の提供で外食を形式別に整理してみると以下のようになります。
(1)軽減税率の適用対象とならない食事の提供とは、飲食設備のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供をいいます。
(2)飲食設備とは、テーブル、椅子、カウンター等で飲食料品を飲食させるための設備をいいます。ここでいう飲食設備は、飲食のための専用の設備である必要はなく、また、飲食料品の提供を行う者と飲食設備を設置又は管理する者が異なる場合であっても飲食料品の提供を行う者と設備設置者との間の合意等に基づき、当該飲食設備を飲食料品の提供を行う者の顧客に利用させることとしているときは、飲食設備に該当します。

1.社員食堂で飲食料品を提供する場合

軽減税率の適用対象とならない食事の提供とは、飲食設備のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供をいいます。
会社内や事業所内に設けられた社員食堂で提供する食事も、その食堂において、社員や職員に、飲食料品を飲食させる役務の提供を行うものであることから、食事の提供に該当し、軽減税率の適用対象外となります。

2.セルフサービスの飲食店の場合

セルフサービスの飲食店であっても、顧客にその店舗のテーブル、椅子、カウンター等の飲食設備を利用させて、飲食料品を飲食させていますので、軽減税率の適用対象外となります。

3.屋台での飲食料品の提供の場合

屋台のおでん屋やラーメン屋で、テーブル、椅子、カウンター等の飲食設備で飲食させている場合は、軽減税率の適用対象外となります。
ここでいう飲食設備は、飲食のための専用の設備である必要はなく、また、飲食料品の提供を行う者と飲食設備を設置又は管理する者(以下、設備設置者といいます。)が異なる場合であっても飲食料品の提供を行う者と設備設置者との間の合意等に基づき、当該飲食設備を飲食料品の提供を行う者の顧客に利用させることとしているときは、飲食設備に該当します。そのため、屋台を営む事業者が、
① 自らテーブル、椅子、カウンター等を設置している場合
② 自ら設置はしていないが、例えば、設備設置者から使用許可等を受けている場合は、軽減税率の適用対象外となります。一方、
③ テーブル、椅子、カウンター等がない場合
④ テーブル、椅子、カウンター等はあるが、例えば、公園などの公共のベンチ等で特段の使用許可等をとっておらず、顧客が使用することもあるがその他の者も自由に使用している場合は、軽減税率の適用対象となります。

4.コンビニエンスストアのイートインスペースでの飲食の場合

イートインスペースを設置しているコンビニエンスストアにおいて、例えば、トレイや返却が必要な食器に入れて飲食料品を提供する場合などは、店内のイートインスペースで飲食させる食事の提供であり、軽減税率の適用対象外となります。
ところで、コンビニエンスストアでは、ホットスナックや弁当のように持ち帰ることも店内で飲食することも可能な商品を扱っており、このような商品について、店内で飲食させるか否かにかかわらず、持ち帰りの際に利用している容器等に入れて販売することがあります。このような場合には、顧客に対して店内飲食か持ち帰りかの意思確認を行うなどの方法で、軽減税率の適用対象となるかならないかを判定していただくこととなります。 なお、その際、大半の商品(飲食料品)が持ち帰りであることを前提として営業しているコンビニエンスストアの場合において、全ての顧客に店内飲食か持ち帰りかを質問することを必要とするものではなく、例えば、「イートインコーナーを利用する場合はお申し出下さい」等の提示をして意思確認を行うなど、営業の実態に応じた方法で意思確認を行うこととして差し支えないそうです。

5.ファストフードのテイクアウトの場合

軽減税率の適用対象とならない食事の提供とは、飲食店営業等を営む者が飲食設備のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供をいいますが、いわゆるテイクアウトなど、飲食料品を、持ち帰りのための容器に入れ、又は包装を施して行う譲渡(以下、持ち帰りといいます。)は、これに含まないものとされています。
事業者が行う飲食料品の提供が、食事の提供に該当するのか、又は持ち帰りに該当するのかは、その飲食料品の提供を行った時において、例えば、その飲食料品について、その場で飲食するのか又は持ち帰るのかを相手方に意思確認するなどの方法により判定していただくことになります。

6.飲食店で残りを持ち帰る場合

その場で飲食するために提供されたものは、その時点で食事の提供に該当し、その後持ち帰ることとしても、飲食料品の譲渡に該当せず、軽減税率の適用対象外となります。

7.飲食店のレジ前の菓子等の販売の場合

単に飲食料品を販売しているものと考えられることから、飲食料品を飲食させる役務の提供に該当せず、飲食料品の譲渡に該当し、軽減税率の適用対象となります。

8.飲食店で提供する缶飲料、ペットボトル飲料の場合

軽減税率の適用対象とならない食事の提供とは、飲食設備がある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供をいいます。
ラーメン屋等の飲食店で缶飲料、ペットボトル飲料をそのまま提供したとしても、店内で飲食させるものとして提供しているものであることから、食事の提供に該当し、軽減税率の適用対象外となります。

9.立食形式の飲食店の場合

軽減税率の適用対象とならない食事の提供とは、飲食設備のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供をいいます。また、テーブルのみ、椅子のみ、カウンターのみ又はこれら以外の設備であっても、又は飲食目的以外の施設等に設置されたテーブル等であってもこれらの設備が飲食料品の飲食に用いられるのであれば、飲食設備に該当します。 したがって、カウンターのみ設置した立食形式の飲食店で、飲食料品を飲食させる役務の提供は、食事の提供に該当し、軽減税率の適用対象外となります。

10.フードコートでの飲食の場合

食事の提供とは、飲食設備のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供をいいます。ここでいう飲食設備とは、飲食料品を提供する事業者が設置したものでなくても、設備設置者と飲食料品を提供している事業者との間の合意等に基づき、その設備を顧客に利用させることとしている場合は、これに該当します。
ショッピングセンターのフードコートが、設備設置者と飲食料品を提供している事業者との間の合意等に基づき、その設備を顧客に利用させることとされている場合には、飲食料品(ラーメン等)の提供は、飲食設備のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供に該当しますので、軽減税率の適用対象外となる食事の提供になります。

11.公園のベンチでの飲食の場合

食事の提供とは、飲食設備のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供をいいます。ここでいう飲食設備とは、飲食料品を提供する事業者が設置したものでなくても、設備設置者と飲食料品を提供している事業者との間の合意等に基づき、その設備を顧客に利用させることとしている場合は、これに該当します。
移動販売車のそばの公園のベンチが、こうした合意等に基づき顧客に利用させることとしているものではなく、誰でもベンチを利用できる場合には、飲食設備に該当せず、飲食料品の提供は、食事の提供ではなく、飲食料品の譲渡に該当し、軽減税率の適用対象となります。

12.旅客列車の食堂車での食事、移動ワゴン販売の飲食料品の販売

軽減税率の適用対象とならない食事の提供とは、飲食設備のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供をいいます。
(1)列車内の食堂施設において行われる飲食料品の提供は、これに該当し、軽減税率の適用対象外となります。
(2)他方、旅客列車の施設内に設置された売店や移動ワゴン等による弁当や飲み物等の販売は、例えば、その施設内の座席等で飲食させるために提供していると認められる次のような飲食料品の提供を除き、軽減税率の適用対象となる飲食料品の譲渡に該当します。① 座席等で飲食させるための飲食メニューを座席等に設置して、顧客の注文に応じてその座席等で行う食事の提供
② 座席等で飲食するため事前に予約を取って行う食事の提供
したがって、列車内の移動ワゴンによる弁当や飲料の販売は、①又は②に該当する場合を除き、軽減税率の適用対象となります。

13.カラオケボックスでの飲食料品の提供

軽減税率の適用対象とならない食事の提供とは、飲食設備がある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供をいいます。
カラオケボックスの客室で顧客の注文に応じて行われる飲食料品の提供は、これに該当しますので、軽減税率の適用対象外となります。

14.映画館の売店での飲食料品の販売の場合

映画館内に設置された売店で行われる飲食料品の販売は、単に店頭で飲食料品を販売しているものですので、飲食料品の譲渡に該当し、軽減税率の適用対象となります。
なお、売店のそばにテーブル、椅子等を設置して、その場で顧客に飲食させている場合には、飲食設備がある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供であり、食事の提供に該当しますので、持ち帰りによる販売(持ち帰りのための容器に入れ、又は包装を施して行う飲食料品の譲渡)である場合を除き、軽減税率の適用対象外となります。
(1)持ち帰りの販売かどうかは、顧客への意思確認等により行うこととなります。
(2)売店により、例えば、映画館の座席で次のような飲食料品の提供が行われる場合には、当該飲食料品の提供は、食事の提供に該当し、軽減税率の適用対象外となります。
① 座席等で飲食させるための飲食メニューを座席等に設置して、顧客の注文に応じてその座席等で行う食事の提供
② 座席等で飲食するため事前に予約を取って行う食事の提供

15.旅館、ホテル等宿泊施設における飲食料品の提供の場合

軽減税率の適用対象とならない食事の提供とは、飲食設備のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供をいいます。旅館、ホテル等(以下、ホテルといいます。)の宴会場や会議室・研修室等で行われる飲食料品の提供は、それがホテル自体又はホテルのテナントであるレストランが行うものである場合には、食事の提供に該当し、軽減税率の適用対象外となります。
また、ホテルの客室から、ホテルが直接運営する又はホテルのテナントであるレストランに対して飲食料品を注文し、そのレストランが客室に飲食料品を届けるようないわゆるルームサービスは、ホテルの客室内のテーブル、椅子等の飲食設備がある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供であり、食事の提供に該当し、軽減税率の適用対象外となります。

16.ホテル等の客室に備え付けられた冷蔵庫内の飲料等の場合

軽減税率の適用対象とならない食事の提供とは、飲食設備がある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供をいいます。
ホテル等の客室に備え付けられた冷蔵庫内の飲料(酒税法に規定する酒類を除きます。)を販売する場合は、単に飲食料品を販売するものであることから、飲食料品を飲食させる役務の提供に該当せず、飲食料品の譲渡に該当し、軽減税率の適用対象となります。

17.バーベキュー施設での飲食等の場合

バーベキュー施設内で飲食する飲食料品について、そのバーベキュー施設を運営する事業者からしか提供を受けることができない場合には、施設利用料と食材代を区分していたとしても、その全額が飲食に用いられる設備において飲食料品を飲食させる役務の提供に係る対価と認められますので、その全額が食事の提供の対価に該当し、軽減税率の適用対象外となります。
なお、飲食料品を提供する事業者が、バーベキュー施設を運営する事業者自体ではなく、その運営事業者の契約等により、顧客にバーベキュー施設の飲食設備を利用させている事業者である場合についても同様に軽減税率の適用対象外となります。

2016.04.30

消費税の軽減税率の適用判定における飲食料品の販売形態

飲食料品の譲渡で消費税の軽減税率の対象となる食品の販売形態や輸入取引について国税庁消費税軽減税率制度対応室が解説している「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」(個別事例編)の「飲食料品の譲渡の範囲等」から軽減税率の適用対象となる飲食料品の譲渡に該当する取引か否かを整理してみると以下のようになります。なお、軽減税率が適用される取引か否かの判定時点と取引の目的について軽減税率が適用される取引か否かの判定は、事業者が課税資産の譲渡等を行う時、すなわち、飲食料品を提供する時点(取引を行う時点で)で行うこととなります。
したがって、飲食料品の譲渡の判定に当たっては、販売する事業者が、人の飲用又は食用に供されるものとして譲渡した場合には、顧客がそれ以外の目的で購入し、又はそれ以外の目的で使用したとしても、当該取引は飲食料品の譲渡に該当し、軽減税率の適用対象となります。飲食料品を飲食させる役務の提供か、単に飲食料品を販売するものか以下の事例が参考になります。

1.通信販売における軽減税率の適用と経過措置について

消費税及び地方消費税の税率の引き上げに伴い、平成28年10月1日前にその販売価格の条件を提示し、又は提示する準備を完了した場合において、平成29年4月1日前に申込みを受け、提示した条件に従って平成29年4月1日以後に行われる商品の販売については、通信販売に係る経過措置が設けられていますが、飲食料品の譲渡には、この経過措置は適用されず、軽減税率が適用されます。なお、消費税と地方消費税を合わせた税率は8%ですが、平成29年3月31日までの税率は、消費税率6.3%、地方消費税率1.7%で合計8%、平成29年4月1日以後に適用される軽減税率は消費税率6.24%、地方消費税率1.76%で合計8%となります。

2.果物狩り、潮干狩り、釣り堀などの場合

果樹園での果物狩りの入園料は、顧客に果物を収穫させ、収穫した果物をその場で飲食させるといった役務の提供に該当しますので、飲食料品の譲渡に該当せず、軽減税率の適用対象とならないことになります。
なお、収穫した果物について別途対価を徴している場合のその果物の販売は、飲食料品の譲渡に該当し、軽減税率の適用対象となります。また、潮干狩りや釣り堀等についても、同様の取扱いになります。

3.自動販売機による販売の場合

自動販売機により行われるジュース、パン、お菓子等の販売は、飲食料品を飲食させる役務の提供を行っているものではなく、単にこれらの飲食料品を販売するものであることから軽減税率の適用対象となる飲食料品の譲渡に該当することとされています。

4.通信販売による場合

インターネット等を利用した通信販売であっても、販売する商品が飲食料品に該当する場合には、飲食料品の譲渡に該当し、軽減税率の適用対象となります。

5.レストランへの食材の販売

飲食料品の譲渡には、軽減税率が適用されます。
食品卸事業者から飲食料品を仕入れたレストランが、店内飲食用の料理にその食材を利用したとした場合、レストランが行う食事の提供は軽減税率の対象とならない、いわゆる外食となりますが、レストランへの食材の販売は、飲食料品の譲渡に該当し、軽減税率の適用対象となります。

6.飲食料品の譲渡に要する送料の取扱い

飲食料品の譲渡に要する送料は、飲食料品の譲渡の対価ではありませんので、軽減税率の適用対象外となります。 なお、例えば、送料込み商品の販売など、別途送料を求めない場合、その商品が飲食料品に該当するのであれば、軽減税率の適用対象となります。

7.販売奨励金の取扱い

事業者が販売促進の目的で課税資産の販売数量、販売高等に応じて取引先(課税仕入れの相手方のほか、その課税資産の製造者、卸売業者等の取引関係者を含む。)から金銭により支払を受ける販売奨励金等は、仕入れに係る対価の返還等に該当します。
同様に事業者が支払う販売奨励金等は、売上げに係る対価の返還等に該当します。
売上げに係る対価の返還等又は仕入れに係る対価の返還等については、それぞれその対象となった課税資産の譲渡又は課税仕入れの事実に基づいて、適用される倍率を判断することとなります。したがって、その売上げの対価の返還等又は仕入れの対価の返還等の対象となった取引が飲食料品の譲渡であれば、軽減税率が適用されます。

8.輸入される飲食料品の場合

保税地域から引き取られる課税貨物のうち、飲食料品に該当するものについては、軽減税率が適用されます。なお、課税貨物が飲食料品に該当するかどうかは、輸入の際に、人の飲用又は食用に供されるものとして輸入されるかどうかにより判定されます。

9.輸入された飲食料品をその後販売する場合

例えば、保税地域からの引取りにより人の飲用又は食用に供されるまぐろを輸入する場合は、軽減税率の適用対象となります。また、輸入したまぐろを飼料用として販売した場合には、そのまぐろは人の飲用又は食用に供されるものとして譲渡されるものではないことから、軽減税率の適用対象外となります。
なお、課税貨物が、飲食料品に該当するかどうかは、輸入の際に、人の飲用又は食用に供されるものとして輸入されるかどうかにより判定します。

10.レストランへ販売する食材の輸入の場合

保税地域から引き取られる課税貨物のうち、飲食料品に該当するものについては、軽減税率が適用されます。
輸入されたその飲食料品を仕入れたレストランが、店内飲食用の料理にその食材を利用したとした場合には、そのレストランが行う食事の提供は軽減税率の対象とならない、いわゆる外食となります。輸入事業者が行う食材の輸入は、飲食料品の輸入(保税地域からの引取り)であり、また、輸入事業者からレストランへの食材の販売も飲食料品の譲渡となりますので、いずれも軽減税率の適用対象となります。

2016.04.29

消費税の適用税率の判定について一体資産・一体商品の譲渡の場合

一体資産・一体商品の譲渡の場合においては、軽減税率の適用要件の適否によって、適用税率の判定を行う必要があります。一体商品の全体が軽減税率の適用対象となる場合、一体商品の全体が軽減税率の対象とならない場合があります。
一体資産・一体商品の譲渡においても適用税率8%で仕入れて10%で販売することもあります。一体資産では、税抜の販売価格(譲渡対価)が1万円以下(金額要件)、かつ食品部分の原価等の割合が3分の2以上のものに軽減税率が適用される。たとえ同一商品であっても、消費者が割引券を使うなどすることで販売価格が変わり、取引によって金額要件の充足性が異なることもある。この商品を仕入れてそれを消費者に販売する取引で税率が異なることも生じ得ます。
例えば、スーパー等が一体資産を1個8,000円で仕入れ、1万2,000円で消費者に販売した場合、仕入れに係る取引では金額要件を満たすが、消費者に販売する取引では金額要件を満たさない。この場合、食品部分の原価等の割合が3分の2以上の要件を満たすものであれば、仕入れには8%が適用されるが、店頭で販売する際には10%が適用される。

1.商品1個の価格で金額要件・適用税率を判定

スーパー等の小売店がメーカー等から商品を仕入れる場合、いわゆるロット単位で行われることがある。商品1個を取引単位にするのではなく、例えば1ロット=商品10個として、最低取引単位を1ロットからと定めるといったものだ。
この場合、1ロットに係る販売価格が1万円を超えていても、そのうち1個1個の商品の価格が1万円以下になれば、金額要件を満たすという。
例えば、メーカー等が同一の一体資産を1ロット(商品10個)税抜5万円でスーパー等に販売する場合、商品1個当たりの販売価格は税抜5千円(5万円/10個)となるため、金額要件をクリアする。商品1個につき食品部分の原価等の割合が3分の2以上の要件も満たせば、この5万円の取引には税率8%が適用される。

2.菓子と玩具により構成されるいわゆる食玩

食品と食品以外の資産が一体として販売されるもの(あらかじめ一の資産を形成し、又は構成しているものであって、その一の資産に係る価格のみが提示されているもの。)は、次のいずれの要件も満たす場合、その全体が軽減税率の適用対象となります。
① 一体資産の譲渡の対価の額(税抜価額)1万円以下であること
② 一体資産の価額のうちに当該一体資産に含まれる食品に係る部分の価額の占める割合として合理的な方法により計算した割合が3分の2以上であること
したがって、菓子と玩具により構成されている、いわゆる食玩は、商品が①及び②に該当する場合には、飲食料品に含まれることから、その販売は飲食料品の譲渡に該当し、軽減税率の適用対象となります。

3.高価な容器に盛り付けられた洋菓子

飲食料品の販売に際し、使用される容器が、その販売に付帯して通常必要なものとして使用されるものであるときは、その容器も含め、飲食料品の譲渡に該当します。
食品と食品以外の資産が一体として販売されるもの(あらかじめ一の資産を形成し、又は構成しているものであって、その一の資産に係る価格のみが提示されているもの。)は、次のいずれの要件も満たす場合、その全体が軽減税率の適用対象となります。
① 一体資産の譲渡の対価の額(税抜価額)1万円以下であること
② 一体資産の価額のうちに当該一体資産に含まれる食品に係る部分の価額の占める割合として合理的な方法により計算した割合が3分の2以上であること
ケーキ等の洋菓子をカップ等の専用容器に盛り付けて販売している商品で、洋菓子より専用容器の方が高価である場合は、②に該当しないため、飲食料品に含まれません。
したがって、この場合の洋菓子と専用容器の販売は、商品全体が軽減税率の適用対象となりません。

4.食品と食品以外の資産で構成された福袋の販売

食品と食品以外の資産が一体として販売されるもの(あらかじめ一の資産を形成し、又は構成しているものであって、その一の資産に係る価格のみが提示されているもの。)は、次のいずれの要件も満たす場合、その全体が軽減税率の適用対象となります。
① 一体資産の譲渡の対価の額(税抜価額)1万円以下であること
② 一体資産の価額のうちに当該一体資産に含まれる食品に係る部分の価額の占める割合として合理的な方法により計算した割合が3分の2以上であること
したがって、食品と食品以外の商品で構成された福袋が、①及び②に該当する場合には、飲食料品に含まれることから、その販売は飲食料品の譲渡に該当し、軽減税率の適用対象となります。

5.一体資産に含まれる食品に係る部分の割合として合理的な方法により計算した割合

食品と食品以外の資産が一体として販売されるもの(あらかじめ一の資産を形成し、又は構成しているものであって、その一の資産に係る価格のみが提示されているもの。)は、次のいずれの要件も満たす場合、その全体が軽減税率の適用対象となります。
イ 一体資産の譲渡の対価の額(税抜価額)1万円以下であること
ロ 一体資産の価額のうちに当該一体資産に含まれる食品に係る部分の価額の占める割合として合理的な方法により計算した割合が3分の2以上であること
ロの割合は、事業者の販売する商品や販売実態等に応じ、例えば、次の割合など、事業者が合理的に算出した割合であればこれによって差し支えないとされています。
① その一体資産の譲渡に係る売価のうち、合理的に計算した食品の売価の占める割合
② その一体資産の譲渡に係る原価のうち、合理的に計算した食品の原価の占める割合
例えば、仕入価格(税込み)が450円の紅茶と200円のティーカップをパッケージングしてセット商品として税抜き価格1,000円で販売する場合は、次のとおり②に示した計算方法によって計算し、その結果食品に係る部分の割合が3分の2以上であるものに該当します。
食品の原価  一体資産の
         譲渡の原価  一体資産の譲渡の原価のうち食品の占める割合
450円 /  650円   ≒ 69.2% > = 3分の2(66.666…%)
したがって、この商品は、食品と食品以外の資産をセット商品として1,000円という価格のみを提示して販売していることから、一体資産に該当し、その対価の額が1万円以下であり、かつ、食品に係る部分の価額の占める割合が3分の2以上のものとなりますので、その販売は、全体が軽減税率の適用対象となります。

6.食品と酒類のセット販売時の一括値引販売

一体資産とは、食品と食品以外の資産があらかじめ一の資産を形成し、又は構成しているもの(一の資産に係る価格のみが提示されているものに限ります。)をいいます。
例えば、ビールと惣菜をそれぞれ別々の商品として販売している場合に、これらの商品を組み合わせて、一括で値引きを行って販売するときは、あらかじめ一の資産を形成し、又は構成しているものではないことから、一体資産に該当しません。
なお、一括して値引きを行った場合のそれぞれの値引き後の対価の額は、それぞれの資産の値引き前の対価の額等により按分するなど合理的に算出することとなります。
また、惣菜(食品)の販売は、飲食料品の譲渡に該当し、軽減税率の適用対象となりますが、酒税法に規定する酒類であるビールの販売は、軽減税率の適用対象となりません。 (参考) 例えば、顧客が割引券等を利用したことにより、これら同時に行った資産の譲渡等を対象として一括して対価の額の値引きが行われており、その資産の譲渡等に係る適用税率ごとの値引額又は値引額控除後の対価の額が明らかでないときは、割引券等による値引額をその資産の譲渡等係る価額の比率により按分し、適用税率ごとの値引額及び値引額控除後の対価の額を区分することとされています。
当該資産の譲渡等に際して顧客へ交付する領収書等の書類により適用税率ごとの値引額又は値引額控除後の対価の額が確認できるときは、当該資産の譲渡等に係る値引額又は値引額控除後の対価の額が、適用税率ごとに合理的に区分されているものに該当することとされています。

7.合理的な割合が不明な小売事業者等の場合

例えば、小売業を営んで食玩を販売し、その食玩に含まれる食品に係る部分の価額に占める割合が不明である場合には、仕入れの際に仕入先が適用した税率を適用して販売することも認められることがあります。
小売業や卸売業等を営む事業者が、一体資産に該当する商品を仕入れて販売する場合において、販売する対価の額(税抜)が1万円以下であれば、その課税仕入れのときに仕入先が適用した税率をそのまま適用して差し支えないとされています。

2016.04.28

消費税の軽減税率を適用する一体資産・一体商品の譲渡

飲食料品の譲渡に含まれる一体資産・一体商品の譲渡の消費税の軽減税率の適用なども明らかになり、消費税の税率が10%に引き上げられる平成29年4月1日から消費税の軽減税率の導入されます。飲食料品には、食品と食品以外の資産があらかじめ一の資産を形成し、又は構成しているもの(その一の資産に係る価格のみが提示されているものに限ります。以下、一体資産といいます。)のうち、一定の要件を満たすものも含みます。一体資産については、下記1の一体資産の意義をご参照ください。

1.軽減税率の適用対象となる一体資産の意義

一体資産とは、食品と食品以外の資産があらかじめ一の資産を形成し、又は構成しているもので、一体資産としての価格のみが提示されているものをいいます。一体資産の譲渡は、原則として軽減税率の適用対象ではありませんが、次のいずれの要件も満たす場合は、飲食料品として、その譲渡全体につき軽減税率が適用されます。
① 一体資産の譲渡の対価の額(税抜価額)が1万円以下であること
② 一体資産の価額のうちに当該一体資産に含まれる食品に係る部分の価額の占める割合として合理的な方法により計算した割合が3分の2以上であること
なお、ここでいう合理的な方法とは、例えば、(1)一体資産の譲渡に係る売価のうち、食品の売価の占める割合や、(2)一体資産の譲渡に係る原価のうち、食品の原価の占める割合による方法があります。

2.一の資産の価格のみが提示されているもの

一体資産とは、食品と食品以外の資産があらかじめ一の資産を形成し、又は構成しているもので、一体資産としての価格のみが提示されているものをいいます。したがって、例えば、次のような場合は、食品と食品以外の資産が一の資産を形成し、又は構成しているものであっても、一体資産に該当しないこととされています。
① 食品と食品以外の資産を組み合わせた一の詰め合わせ商品について、当該詰め合わせ商品の価格とともに、これを構成する個々の商品の価格を内訳として提示している場合
例えば、1,000円(内訳 A商品400円、B商品300円、C商品300円)の様に提示している場合をいいます。
② 個々の商品の価格を提示しているか否かにかかわらず、商品(食品を食品以外)を、例えば、よりどり3品△△円との価格を提示し、顧客が自由に組み合わせることができるようにして販売している場合
例えば、このワゴンボックス内の商品は、よりどり3品1,000円の様な場合をいいます。
(注)1 上記①、②の場合は、個々の商品ごとに適用税率を判定することとなります。
(注)2 上記②の場合に個々の商品に係る対価の額が明らかでないときは、商品の価額を適用税率ごとに合理的に区分することとなります。

3.包装材料及び容器の取扱い

飲食料品の販売に際し使用される包装材料及び容器(以下、包装材料等といいます。)が、その販売に付帯して通常必要なものとして使用されるものであるときは、当該包装材料等も含め軽減税率の適用対象となる飲食料品の譲渡に該当します。
ここでいう通常必要なものとして使用される包装材料等とは、飲食料品の販売に付帯するものであり、通常、飲食料品が消費され又はその飲食料品と分離された場合に不要となるようなものが該当します。
なお、贈答用の包装など、包装材料等につき別途対価を定めている場合のその包装材料等の譲渡は、飲食料品の譲渡には該当しません。
また、例えば、陶磁器やガラス食器等の容器のように飲食の用に供された後において食器や装飾品として利用できるものを包装材料等として使用しており、食品とその容器を組み合わせてあらかじめ一の商品として価格を提示し販売している場合には、その商品は一体資産に該当します。容器や包装材料等の取扱いについては、下記4(1)飲食料品を販売する際に使用される容器、(2)桐の箱の容器を参考にして下さい。

4.一体資産・包装材料・容器の取扱いの個別事例

一体資産の判断や包装資材及び容器の取扱いについて、国税庁消費税軽減税理制度対応室による消費税の軽減税率制度に関するQ&Aに個別事例が以下のように掲載されています。

(1)飲食料品を販売する際に使用される容器

包装材料等が、その販売に付帯して通常必要なものとして使用されるものであるときは、当該包装材料等も含め軽減税率の適用対象となる飲食料品の譲渡に該当します。
ここでの通常必要なものとして使用される包装材料等とは、その飲食料品の販売に付帯するものであり、通常、飲食料品が費消され又はその飲食料品と分離された場合に不要となるようなものが該当します。
なお、贈答用の包装など、包装材料等につき別途対価を定めている場合のその包装材料等の譲渡は、飲食料品の譲渡には該当しません。
また、例えば、陶磁器やガラス食器等の容器のように飲食の用に供された後において食器や装飾品として利用できるものを包装材料等として使用しており、食品とその容器をあらかじめ組み合わせて一の商品として価格を提示し販売しているものについては、その商品は一体資産に該当します。

(2)桐の箱等の高価な容器に入れて販売

飲食料品の販売に際し使用される包装材料及び容器が、その販売に付帯して通常必要なものとして使用されるものであるときは、その包装材料等も含め飲食料品の譲渡に該当します。
例えば、高額な飲食料品にあっては、桐の箱等の高価な容器に入れられて販売されることがありますが、このような場合にあっては、桐の箱にその商品の名称などを直接印刷等して、その飲食料品を販売するためにのみ使用していることが明らかなときは、その飲食料品の販売に付帯して通常必要なものとして使用されるものに該当するものとして取り扱って差し支えありません。

(3)保冷剤を付けた洋菓子の販売

人の飲用又は食用に供されるケーキやプリンなどの洋菓子は、食品に該当し、サービスで保冷剤をつけて販売する場合であっても、軽減税率の適用対象となります。
なお、保冷剤について別途対価を徴している場合のその保冷剤は、飲食料品に該当しないことから、軽減税率の適用対象となりません。

5.一体資産の金額要件と金額判定の単位について

軽減税率の適用対象となる一体資産の金額要件は取引ごとに判定し、ロット単位の仕入れも1個が1万円以下なら要件を充足するようです。
食品とそれ以外の資産で構成される一体資産について。軽減税率の対象となる販売価格が1万円以下の金額要件は、その取引ごとに充足性を判定することになります。
メーカー等から商品を仕入れる際には、最低取引単位が決められているいわゆるロット単位での取引が行われることも少なくありません。この点については、ロット単位での取引であっても、1万円以下の金額要件を充足するか否かは、あくまで商品1個の価格で判定するようです。

2016.04.27

消費税の軽減税率と添加物、酒類、医薬品等の譲渡について

消費税の軽減税率の対象となる飲食料品には、食品表示法に規定する食品から酒税法に規定する酒類は除かれています。食品表示法に規定する食品とは全ての飲食物を言いますが医薬品、医薬部外品及び再生医療等製品は除かれ、食品衛生法に規定する添加物を含みます。ここでいう飲食物とは、人の飲料又は食用に供されるものをいいます。飲食料品の譲渡の範囲等を整理すると更なるキーワードは「酒税法に規定する酒類」「食品衛生法に規定する添加物」です。

1.酒税法に規定する酒類の定義及び種類

酒税法第2条第1項に、酒類の定義及び種類を規定しています。
酒税法において酒類とは、アルコール分一度以上の飲料(薄めてアルコール分一度以上の飲料とすることができるもの(アルコール分が九十度以上のアルコールのうち、酒税法第七条第一項の規定による酒類の製造免許を受けた者が酒類の原料として当該製造免許を受けた製造場において製造するもの以外のものを除く。)又は溶解してアルコール分一度以上の飲料とすることができる粉末状のものを含む。)をいうとされています。

2.食品衛生法に規定する添加物

食品衛生法第4条第2項に、添加物の定義を規定しています。
食品衛生法において添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物をいうとされています。

3.軽減税率の適用対象となるか否かの判断事例

「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」(個別事例編)の「飲食料品の譲渡の範囲等」より、消費税の軽減税率の対象となる飲食料品には、食品表示法に規定する食品から酒税法に規定する酒類は除かれています。食品表示法に規定する食品とは全ての飲食物を言いますが医薬品、医薬部外品及び再生医療等製品は除かれ、食品衛生法に規定する添加物を含みます。ここでいう飲食物とは、人の飲料又は食用に供されるものをいいます。

(1)お酒の販売と消費税の軽減税率

酒税法に規定する酒類は、軽減税率の適用対象である飲食料品から除かれていますので、酒類の販売は軽減税率の適用対象となりません。

(2)食品の原材料となる酒類の販売と軽減税率

食品の原材料となるワインなどであっても、軽減税率の適用対象である飲食料品に該当せず、その販売は軽減税率の適用対象となりません。

(3)みりん、料理酒、調味料の販売

酒税法に規定する酒類は軽減税率の適用対象である飲食料品に該当しませんので、みりんや料理酒が酒税法に規定する酒類に該当するものであれば、その販売は軽減税率の適用対象となりません。
酒税法に規定する酒類に該当しないみりん風調味料(アルコール分が一度未満のものに限ります。)については、飲食料品に該当しますので、その販売は軽減税率の適用対象となります。

(4)ノンアルコールビール、甘酒の販売

ノンアルコールビールや甘酒など酒税法に規定する酒類に該当しない飲料については、軽減税率の適用対象である飲食料品に該当し、その販売は軽減税率の適用対象となります。

(5)酒類を原料とした菓子の販売

酒類を原料とした菓子であっても、その菓子が酒税法に規定する酒類に該当しないものについては、軽減税率の適用対象である飲食料品に該当し、その販売は軽減税率の適用対象となります。

(6)酒類の原料となる食品の販売

食品とは、人の飲料又は食用に供されるものをいいます。酒税法に規定する酒類は、ここでいう食品から除かれています。
他方、日本酒を製造するための原材料の米は、酒類ではないので、食品から除かれず、人の飲用又は食用に供されるものであることから、その販売は軽減税率の適用対象となります。

(7)添加物の販売

食品の製造・加工等の過程において添加されるものは、食品に該当し、その販売は軽減税率の適用対象となります。

(8)添加物として金箔の販売

添加物として販売される金箔は、食品に該当し、その販売は軽減税率の適用対象となります。

(9)食用、清掃用の重曹の販売

人の飲用又は食用に供されるものである食品添加物として販売される重曹は、食品に該当し、その販売は軽減税率の適用対象となります。

(10)栄養ドリンクの販売

医薬品等に該当しない栄養ドリンクは、食品に該当し、その販売は軽減税率の適用対象となります。
医薬品等は、食品に該当しません。したがって、医薬品等に該当する栄養ドリンクの販売は軽減税率の適用対象となりません。

(11)健康食品、美容食品等の販売

人の飲用又は食用に供される特定保健用食品、栄養機能食品は、医薬品等に該当しませんので、食品に該当し、また、人の飲用又は食用に供されるいわゆる健康食品、美容食品も、医薬品等に該当しないものであれば、食品に該当しますので、それら販売は軽減税率の適用対象となります。

2016.04.26

消費税の軽減税率の対象となる飲食料品の譲渡について

飲食料品の譲渡で消費税の軽減税率の対象となる品目を食品と定義しています。その食品とは、人の飲料又は食用に供されるものをいいます。消費税の軽減税率は、平成29年4月1日の消費税率の引き上げと同時に導入されます。消費税の軽減税率の対象品目は酒類・外食を除く飲食料品及び週2回以上発行される新聞の定期購読料となります。国税庁消費税軽減税率制度対応室が解説している「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」(個別事例編)の「飲食料品の譲渡の範囲等」を整理するとキーワードは「食品とは、人の飲料又は食用に供されるものをいいます。」です。

1.軽減税率の対象品目である飲食料品の譲渡

(1)軽減税率の対象品目である飲食料品の定義
軽減税率の対象品目である飲食料品とは、酒税法に規定する酒類を除き食品表示法に規定する食品(以下、食品といいます。)をいいます。
(2)食品表示法に規定する食品
食品表示法に規定する食品とは、全ての飲食物をいい、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に規定する医薬品、医薬部外品及び再生医療等製品を除き、食品衛生法に規定する添加物を含むものとされています。
(3) ここでいう飲食物とは、人の飲用又は食用に供されるものをいいます。
(4) また、飲食料品には、食品と食品以外の資産があらかじめ一の資産を形成し、又は構成しているもの(その一の資産に係る価格のみが提示されているものに限ります。以下、一体資産といいます。)のうち、一定の要件を満たすものも含みます。
(5) したがって、飲食料品とは、人の飲用又は食用に供される、医薬品、医薬部外品、再生医療等製品、酒税法に規定する酒類を除き、次の①から④をいいます。
① 米殻や野菜、果実などの農産物、食肉や生乳、食用鳥卵などの畜産物、魚類や貝類、海藻類などの水産物
② めん類・パン類、菓子類、調味料、飲料等、その他製造又は加工された食品
③ 食品衛生法に規定する添加物
④ 一体資産のうち、一定の要件を満たすもの
(6)軽減税率が適用される取引か否かの判定時点と目的
軽減税率が適用される取引か否かの判定は、事業者が課税資産の譲渡等を行う時、すなわち、飲食料品を提供する時点(取引を行う時点で)で行うこととなります。
したがって、飲食料品の譲渡の判定に当たっては、販売する事業者が、人の飲用又は食用に供されるものとして譲渡した場合には、顧客がそれ以外の目的で購入し、又はそれ以外の目的で使用したとしても、当該取引は飲食料品の譲渡に該当し、軽減税率の適用対象となります。
(7)人の飲用又は食用以外の用途に供するものとして取引される場合
平成28年4月12日に制定された消費税の軽減税率制度に関する法令解釈通達によれば、人の飲用又は食用以外の用途に供するものとして取引される次に掲げるようなものは、飲食が可能なものであっても食品に該当しないことに留意するとしています。
① 工業用原材料として取引される塩
② 観賞用・栽培用として取引される植物及びその種子
(8)そして、人の飲用又は食用に供されるものとして譲渡した食品が、購入者により他の用途に供されたとしても、当該食品の譲渡は、改正法附則第34条第1項第1号に掲げる飲食料品の譲渡に該当すると注記されています。

2.その食品が軽減税率の適用対象となるか否かの判断事例

「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」(個別事例編)の「飲食料品の譲渡の範囲等」より、 軽減税率の対象となる食品とは、人の飲料又は食用に供されるものをいいます。

(1)生きた畜産物の販売

肉用牛、食用豚等の生きた家畜は、その販売時点において、人の飲用又は食用に供されるものではないため、食品に該当せず、その販売は軽減税率の適用対象となりません。
これらの家畜の枝肉は、人の飲用又は食用に供されるものであり、その販売は軽減税率の適用対象となります。

(2)食用の生きた魚など水産物の販売

人の飲用又は食用に供される活魚は食品に該当し、その販売は軽減税率の適用対象となります。
生きた魚であっても人の飲用又は食用に供されるものではない熱帯魚などの観賞用の魚は、食品に該当せず、その販売は軽減税率の適用対象となりません。

(3)家畜の飼料、ペットフードの販売

人の飲用又は食用に供されるものではない牛や豚等の家畜の飼料やペットフードは、食品に該当せず、その販売は軽減税率の適用対象となりません。

(4)籾の販売

人の飲用又は食用に供される籾は、食品に該当し、その販売は軽減税率の適用対象となります。
人の飲用又は食用に供されるものではない種籾として販売される籾は、食品に該当せず、その販売は軽減税率の適用対象となりません。

(5)苗木、種子の販売

種子であっても、おやつや製菓の材料用など、人の飲用又は食用に供されるものとして販売されるかぼちゃの種などは、食品に該当し、その販売は軽減税率の適用対象となります。
果物の苗木など栽培用として販売される植物及びその種子は、食品に該当せず、その販売は軽減税率の適用対象となりません。

(6)水の販売

人の飲用又は食用に供されるものであるいわゆるミネラルウォーターなどの飲料水は、食品に該当し、その販売は軽減税率の適用対象となります。
他方、水道水は、炊事や飲用のための食品としての水と、風呂、洗濯といった飲食用以外の生活用水として供給されるものとが混然一体となって提供されており、例えば、水道水をペットボトルに入れて、人の飲用に供される食品として販売する場合を除き、軽減税率の適用対象となりません。

(7)氷の販売

人の飲用又は食用に供されるものであるかき氷に用いられる氷や飲料に入れて使用される氷などの食用氷は、食品に該当し、その販売は軽減税率の適用対象となります。
なお、例えば、ドライアイスや保冷用の氷は、人の飲用又は食用に供されるものではなく、食品に該当しないことから、その販売は軽減税率の適用対象となりません。

(8)賞味期限切れの食品の廃棄

賞味期限切れの食品を廃棄するために譲渡する場合は、人の飲用又は食用に供されるものとして譲渡されるものではないことから、軽減税率の適用対象となりません。

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