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2016.04.19

相続により生じた空き家を改修して譲渡した場合

相続により生じた空き家を改修して譲渡した場合に、譲渡所得の特別控除を適用する特例が平成28年度税制改正により創設されました。この特例は、平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に譲渡した場合に適用されます。

1.空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例創設の背景

ネズミ・ハエ等の発生やごみの放置等による不衛生、火災や倒壊の恐れなど、適切な管理が行われていない空き家が地域住民の生活環境に悪影響を及ぼしていることから、迷惑・危険な「特定空き家」と認定された場合に、修繕・撤去などにより改善されなければ市区町村が除去にまで踏み込める空き家対策法が昨年5月に完全実施されました。そして税制面からは、固定資産税が税額を200㎡以下の部分は6分の1、200㎡超の部分は3分の1に減額という住宅特例の対象から除外する措置が手当され、平成28年度分から適用されています。
ところで、総務省の住宅・土地統計調査によると、空き家のうち、周辺の生活環境に悪影響を及ぼし得る空き家の数は、毎年平均して約6.4万戸増加しています。また、国土交通省が実態調査したところ、居住用家屋が空き家化するケースとしては相続時が最も多く、周辺の生活環境に悪影響を及ぼし得る空き家の75%は昭和56年5月31日以前の旧耐震基準の下で建築され、そのうち約60%が耐震性のない家屋であると推計しています。
そこで、自分の意見とは無関係に発生する相続による相続人の空き家管理の負担増も踏まえ、古い空き家のうち、使える空き家は耐震リフォームなどにより利用し、使えない空き家は除去し有効活用することなど空き家の発生を抑制する一定の対応をした場合には、税制優遇措置を適用することが必要であるとの要望が出されていました。

2.空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例制度の内容

相続した家屋(耐震性がない場合は耐震改修をしたもの)又は家屋除去後の敷地を譲渡した場合、居住用財産の譲渡所得の3千万円特別控除が適用されることになりました。。

3.空き家に係る譲渡所得の特別控除の適用要件

空き家に係る譲渡所得の特別控除に対して、居住用財産の譲渡所得の3千万円特別控除は、現に自分が住んでいることが適用要件になっています。もっとも、現在、自分が住んでいなくても、「譲渡した家屋は過去に自分が所有者として住んでいた」、「自分が住まなくなった日から3年を経過する年の12月31日までに家屋を譲渡した」の2つの要件を満たす場合は、適用が受けられます。
これに対し、28年度改正で創設された空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例は、過去に自分が住んでいたかどうかは要件とされない点が大きく異なります。
この特例の適用を受けるためには、被相続人居住用家屋・敷地が、下記の適用要件を満たすことの確認をした旨を証明する地方公共団体の長等の書類を添付して、確定申告をする必要があります。
相続財産に係る譲渡所得の課税の特例との選択適用となりますが、居住用財産の買換え等の特例とは重複適用できます。
(1)相続開始直前に被相続人のみが居住していた昭和56年5月31日以前に建築された家屋(区分所有建築物を除きます)及びその敷地で、相続の開始日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡した場合に限られます。
(2)譲渡対価の額が1億円を超えるものには適用されません。また、譲渡価額が1億円以下であっても、相続の時から譲渡した日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに、譲渡した家屋と一体として被相続人が居住していた家屋・土地等を譲渡したときは、その譲渡価額と当初の譲渡価額との合計額が1億円を超える場合は特例の適用はありません。
(3)譲渡をする家屋又は土地は、相続の時から譲渡の時まで事業用、貸付用、居住用に使われていないことが必要です。

4.空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例の適用期日

この特例は、平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に譲渡した場合に適用されます。

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