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2016.04.16

贈与税の非課税の措置:結婚・子育て資金の一括贈与

結婚・子育て資金の一括贈与時の非課税制度は、将来の経済的不安が若年層に結婚・出産を躊躇させる大きな要因の一つとなっていることを踏まえ、両親や祖父母の資産を早期に移転することを通じて子や孫の結婚・出産・子育てを支援するために平成27年4月1日に創設された制度ですが、結婚・子育て資金管理契約の終了の日までの間に贈与者が死亡した場合や受贈者が50歳に達したときに、結婚・子育て資金に支出しなかったなった残金に対して相続税や贈与税が課税されないか確認をする必要があります。
平成28年度税制改正により、その対象となる費用が明確化されています。

1.結婚・子育て資金の一括贈与時の非課税の措置

20歳以上50歳未満の個人が結婚・子育て資金の支払に充てるために、平成27年4月1日から平成31年3月31日までの間に、その直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受け、その受贈者が50歳に達するまでの間に、結婚・子育て資金として支出した金額は、1,000万円を限度として非課税とされます。

2.非課税の対象となる結婚・子育て資金の一括贈与の手段

結婚・子育て資金に充てるための一括贈与の手段は次の場合となります。
(1)その直系尊属と信託会社との間の結婚・子育て資金管理契約に基づき信託の受益権を取得した場合、
(2)その直系尊属からの書面による贈与により取得した金銭を結婚・子育て資金管理契約に基づき銀行等の営業所等において預金若しくは貯金として預入をした場合
(3)結婚・子育て資金管理契約に基づきその直系尊属からの書面による贈与により取得した金銭等で証券会社の営業所等において有価証券を購入した場合
これらの場合には、既にこの結婚・子育て資金の非課税の特例の適用を受けて贈与税の課税価格に算入しなかった金額がある場合には、その算入しなかった金額を控除した残額となりますが、その信託受益権、金銭又は金銭等の価額のうち1,000万円までの金額に相当する部分の価額が贈与税の課税価格に算入されないことになります。

3.非課税の対象となる結婚・子育て資金の範囲

合わせて1,000万円限度の贈与税の非課税の対象となる結婚・子育て資金とは、次の(1)又は(2)に掲げる金銭をいうこととされています。

(1)結婚に際して支出する300万円が限度となる次のような金銭

①挙式費用、衣装代等の婚礼(結婚披露宴を含む)費用(婚姻の日の1年前の日以後に支払われるものに限られます)
②家賃、敷金等の新居費用、転居費用(一定の期間内に支払われるものに限られます)

(2)妊娠、出産及び育児に要する次のような金銭

① 不妊治療費のうち、処方箋に基づき処方される薬局に支払う医薬品代(28年度税制改正)、妊婦健診に要する費用
② 出産費用のうち、産前産後の母親の医療費及び処方箋に基づき処方される薬局に支払う医薬品代、母親の産後健診費用(28年度税制改正)
③ 分べん費等、産後ケアに要する費用
④ 子の医療費、幼稚園・保育所等の保育料(ベビーシッター代を含む)など
※ 結婚・子育て資金の範囲などについて不明な点がある場合には、内閣府子ども・子育て本部へお尋ねください。 内閣府ホームページには結婚・子育て資金の範囲に関する情報が掲載されています。

4.結婚・子育て資金管理契約の終了時の課税

次のイ又はロの事由に該当したことにより結婚・子育て資金管理契約が終了した場合において、その結婚・子育て資金管理契約に係る非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額(結婚に際して支出する費用については300万円を限度とし、相続等により取得したものとみなされる資金管理残額を含みます。)を控除した残額があるときは、その残額については、イ又はロに該当する日の属する年の贈与税の課税価格に算入されます。
イ, 受贈者が50歳に達したこと
ロ. 結婚・子育て資金管理契約に係る信託財産の価額が零となった場合、結婚・子育て資金管理契約の預金若しくは貯金の額が零となった場合又は結婚・子育て資金管理契約に基づき保管されている有価証券の価額が零となった場合において受贈者と取扱金融機関との間でこれらの結婚・子育て資金管理契約を終了させる合意があったことによりその結婚・子育て資金管理契約が終了したこと

5.一括贈与時に非課税の適用を受けるための申告手続

結婚・子育て資金の非課税の特例の適用を受けるためには、その適用を受けようとする受贈者が、結婚・子育て資金非課税申告書を、その結婚・子育て資金非課税申告書に記載した取扱金融機関の営業所等を経由して、信託がされる日、預金若しくは貯金の預入をする日又は有価証券を購入する日までに、その受贈者の納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。
その結婚・子育て資金非課税申告書が取扱金融機関の営業所に受理された場合には、その受理された日にその受贈者の納税地の所轄税務署長に提出されたものとみなされます。 その預入等期限までに結婚・子育て資金非課税申告書の提出がない場合には、結婚・子育て資金の非課税の特例の適用を受けることはできないこととなりますので注意が必要です。

6.結婚・子育て資金管理契約が終了した場合の手続

上記4のイ又はロの場合に該当したことにより結婚・子育て資金管理契約が終了した場合において、その結婚・子育て資金管理契約に係る非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額(結婚に際して支出する資金については、300万円を限度とし、相続等により取得したものとみなされる管理残額を含みます。)を控除した残額があるときは、その残額については、その結婚・子育て資金管理契約の上記4のイ又はロに該当する日の属する年の贈与税の課税価格に算入されることになりますので、贈与税の申告義務がある方については、その年の翌年の2月1日から3月15日までの間に贈与税の申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。 また、その贈与税の申告に適用される法令は、上記4のイ又はロに該当する日に施行されている法令となります。
なお、結婚・子育て資金管理契約が終了した日において取扱金融機関の営業所等に対してまだ提出していない領収書等については、その結婚・子育て資金管理契約が終了する日の属する月の翌月末日までにその領収書等を取扱金融機関の営業所等に対して提出しなければなりません。
受贈者の死亡により結婚・子育て資金管理契約が終了した場合には、その残額は贈与税の課税価格に算入されませんが、その贈与者の死亡に係る相続税については下記7を確認して下さい。

7.結婚・子育て資金契約期間中に贈与者が死亡した場合の取扱い

信託等があった日から結婚・子育て資金管理契約終了の日までの間に贈与者が死亡した場合には、その贈与者の死亡の日における非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額を控除した残額については、受贈者が贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなして、その贈与者の死亡に係る相続税の課税価格に加算します。この場合において、その残額に対応する相続税額については相続税額の2割加算の対象とはしません。

結婚・子育て資金の一括贈与時の非課税のまとめ

結婚・子育て資金の一括贈与と教育資金の一括贈与との違いを確認します。
教育資金の一括贈与の場合にも、受贈者が30歳に達したときに教育資金に支出しなかった金額は、そのときに贈与があったものとみなされ、同じく贈与税が課税されます。
贈与者が死亡した場合には、教育資金の一括贈与は教育資金に支出しなかった残額があってもその残額は贈与税の課税価格に算入されるこはなく、相続財産として課税価格に加算される事はありませんが、結婚・子育て資金の一括贈与は、その贈与者の死亡に係る相続税の課税価格に加算されますので注意が必要です。
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税の特例制度もあり、それぞれ相続・相続税対策として人気を集めていますが、それぞれ制度のメリットとデメリットを確認して思わぬ落とし穴に陥らないようにしましょう。

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