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2016.04.08

相続税の計算方法を知っておきたい方へ

平成27年1月1日以後の相続については基礎控除額税率等が変更されました。
相続税の一般の場合の計算方法は、その計算順序として、各人の課税価格の計算により求めた正味の遺産総額から相続税の基礎控除額を引き、課税遺産総額を計算します。次に、その課税遺産総額を法定相続分で按分して相続税の総額を計算します。次に、その相続税の総額を実際の相続割合で按分して各人の相続税額を計算します。最後に各人の相続税額から配偶者の税額軽減額・諸控除や加算等を行い、各人の相続税の納付税額を計算します。以下は平成28年4月1日現在の法令によって相続税の計算方法を順次説明しています。

1.相続税がかからない場合について判定の計算方法

正味の遺産額が基礎控除以下の場合には、相続税はかかりません。
相続税の基礎控除額の計算は、3,000万円+600万円×法定相続人の数で求めます。
例えば、法定相続人が妻と子2人の場合の基礎控除額は
3,000万+600万×3人=4,800万円となります。

2.相続税の各人の課税価格の計算方法について

各人の課税価格の計算方法は、最初に相続や遺贈及び相続時精算課税の適用を受ける贈与によって財産を取得した人ごとに、各人の課税価格を次のように計算します。
{相続又は遺贈により取得した財産の価額}+{みなし相続等により取得した財産の価額(注1)}- {非課税財産の価額} + {相続時精算課税を適用した贈与財産の価額(注2)} - {債務及び葬式費用の額} = {純資産価額(注4)(赤字のときは0円)}
{純資産価額(注4)}+{相続開始前3年以内の贈与財産の価額(注3)}= 各人の課税価格(千円未満切捨て)

注1)死亡保険金、死亡退職金など本来の相続財産ではありませんが、相続財産とみなして課税価格に算入します。なお生命保険金や死亡退職金の非課税限度額は、それぞれ500万円×法定相続人の数で計算します。
注2)相続時精算課税の特定贈与者(相続時精算課税に係る贈与者(親や祖父母)をいいます。)が死亡した場合には、相続時精算課税の適用者(受贈者)が特定贈与者から相続又は遺贈により財産を取得しない場合であっても、相続時精算課税の適用を受けた贈与財産は相続又は遺贈により取得したものとみなされ、贈与の時の価額で相続税の課税価格に算入されることになります。
注3)相続又は遺贈により財産を取得した相続人等が、相続開始前3年以内にその被相続人からの暦年課税に係る贈与によって取得した財産の価額をいいます。
注4)純資産価格は一般的には、正味の遺産額と表現しています。土地・建物や預貯金等の財産から借入金や未払金等の債務及び葬式費用の額を引いたものが正味の遺産額となります。みなし相続財産の死亡保険金や死亡退職金はそれぞれ非課税限度額を超えた部分の額が加算されます。例えば、現金・預貯金・株式など 6,500万円 土地 1,500万円 建物 1,000万円 死亡保険金(保険金 6,000万円 – 500万円 × 3人) = 4,500万円 の場合には遺産の総額は 1億3,500万円 となり、借入金が 500万円 あり、葬儀費用に 200万円 かかった場合には、正味の遺産額(純資産価格)は 1億2,800万円 となります。

3.相続税の課税遺産総額の計算方法について

上記2の正味の遺産額から基礎控除額を引いたものが課税遺産総額になります。
上記2の注4の例題の場合は1億2,800万円-4,800万円=8千万円となります。
基礎控除額の計算は、3,000万円+600万円×3(法定相続人の数)となります。

4.相続税の総額の計算方法について

上記3の課税遺産総額を法定相続分で分割したものと仮定し、法定相続分で按分して相続税の総額を計算します。

上記3の例題の法定相続分で按分する計算方法

上記3の例題の課税遺産総額 8千万円を法定相続分で按分計算すると次のようになります。
妻  8千万円 × 1/2 = 4,000万円 (実際の正味の遺産額 6,000万円)
長女 8千万円 × 1/4 = 2,000万円 (実際の正味の遺産額 3,800万円)
長男 8千万円 × 1/4 = 2,000万円 (実際の正味の遺産額 3,000万円)

上記3の例題の相続税の総額の計算方法

相続税の総額の計算は、相続税の速算表で相続税額を計算します。
妻  4,000万円 × 20%(税率) - 200万円(控除額) = 600万円
長女 2,000万円 × 15%(税率) - 50万円(控除額) = 250万円
長男 2,000万円 × 15%(税率) - 50万円(控除額) = 250万円
相続税の総額は各人の税額の合計額 1,100万円となります。

5.各人ごとの相続税額の計算方法について

相続税の総額を、財産を取得した人の課税価格に応じて割り振って、財産を取得した人ごとの税額を計算します。
相続税の総額 × 各人の課税価格 ÷ 課税価格の合計額 = 各相続人等の税額

上記4の例題の相続税の総額1,100万円を実際の相続割合で按分すると各相続人等の算出税額は次の通りとなります。
妻  1,100万円 × 6,000万円 ÷ 1億2,800万円 = 5,156,250円
長女 1,100万円 × 3,800万円 ÷ 1億2,800万円 = 3,265,625円
長男 1,100万円 × 3,000万円 ÷ 1億2,800万円 = 2,578,125円

6.各人の納付・還付税額の計算について

上記5で計算した各相続人等の税額から各種の税額控除額を差し引いた残りの額が各人の実際に納める納付税額になります。
上記5の妻の場合には、配偶者の相続税の軽減(判定計算省略)の適用があるので、
妻の算出税額 5,156,250円 - 配偶者の相続税の軽減 5,156,250円 = 0円となり、妻の差引税額は0円で実際に納める申告納税額はありません。

ただし、財産を取得した人が被相続人の配偶者、父母、子供以外の者である場合には、税額控除を差し引く前の相続税額にその20%相当額を加算した後に税額控除額を差し引きます。
なお、子供が被相続人の死亡以前に死亡しているときは孫(その子供の子)について相続税額に加算する必要はありません。子供が被相続人の死亡以前に死亡していない場合の被相続人の養子である孫については相続税額に加算する必要があります。

実際の各種税額控除等は次の順序で計算します。

各相続人等の算出税額 + 相続税額の2割加算金額 - 暦年課税分の贈与税額控除額 - 配偶者の税額軽減額 - 未成年者控除額 - 障害者控除額 - 相次相続控除額 - 外国税額控除額 = 各相続人等の控除後の差引税額(赤字のときは0)

各相続人等の控除後の差引税額 - 相続時精算課税分の贈与税額控除額 - 医療法人持分税額控除額 = 各相続人等の納付すべき税額となります。
ただし、相続時精算課税分の贈与税相当額を控除した結果、0円以下となるときには医療法人持分税額控除額も0円となります。

相続税の計算方法のまとめ

上記6の計算で各相続人等の納付すべき申告納税額が赤字となる場合には、赤字となった金額から相続時精算課税分の贈与税の計算をする際に控除した外国税額を差し引いた金額を還付を受けることができます。
相続税の相談・相続税の申告期限と相続手続き・相続税の申告は税理士へご相談ください。

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