«

2016.09.10

所得税の配偶者控除を見直して夫婦控除に移行案が浮上

所得税の配偶者控除の見直しなど、首相の諮問機関である政府税制調査会が昨日9日に約4カ月ぶりに開催されました。
なお、夫婦控除の導入案の前に現行の配偶者控除の要件など配偶者特別控除の要件などについては、それぞれのページで確認して下さい。

1.配偶者控除の見直しと夫婦控除の導入案浮上

専業主婦世帯などの所得税額を軽減している所得税の「配偶者控除」を見直す検討に本格的に着手しています。配偶者の働き方や年収を問わない「夫婦控除」の導入が有力な見直し案となっています。配偶者控除の見直しにより、税収は大幅に減少する可能性があるため、政府は課題となる財源確保の検討も本格化することになります。課題となる税収減の抑制策として夫婦控除などの所得制限が浮上していますが、負担増となる世帯の理解が得られるかが課題となります。

2.現行の配偶者控除と見直しの方向性と論点の整理

現行の配偶者控除は、例えば配偶者の給与収入が年103万円以下の場合に適用されます。給与所得者の年末調整に向けてパートで働く主婦らがその配偶者控除に合わせて労働時間を抑えるといういわゆる年末時間調整「103万円の壁」をなくす狙いも込めて、首相が2014年に見直しの検討を指示していました。そこで政府税調では、これまでの論点整理で夫婦控除や高所得者に限って配偶者控除を廃止する案などを示していました。
増加する共働き世帯に配慮し、夫婦控除へ転換する案を軸に、11月ごろには見解を取りまとめる方向のようです。総会に出席した安倍晋三首相は「女性が就業調整を意識せずに働けるようにする」と述べ、検討を進める考えを表明したと報じられています。
政権の掲げる「働き方改革」と連動させて女性の就労を後押しする狙いですが、専業主婦世帯の負担が増す可能性もあり、具体的な改革案を固められるかは流動的です。

3.基礎控除の扱いも焦点に所得控除方式の見直し議論へ

与党も議論を進める予定で、自民党の宮沢洋一税制調査会長は2017年度の税制改正での実現に意欲を示しているそうです。
所得税を巡り政府税調は他の所得控除を含め、高所得者ほど有利な「所得控除」方式の見直しを議論する模様です。
全ての人の所得税に適用される基礎控除の扱いも焦点となります。高所得者ほど減税の効果が大きいため、所得控除を段階的に縮小したり、減税額を一定にする「税額控除」に変更したりすれば財源を賄えるとしています。

4.夫婦控除を2017年度税制改正大綱に盛り込み関連法の改正へ

自民党の茂木俊充政調会長は「専業主婦世帯などの所得税額を軽減する配偶者控除の見直し議論を巡り、配偶者の働き方や年収を問わない夫婦控除に移行すべきだ」との考えを示しています。さらに「夫婦控除」に移行する場合の控除方式に関しては、所得税額を算出する前に課税対象の所得を小さくする「所得控除」ではなく、所得税額の算出後に差し引く「税額控除」方式を検討すべき認識も表明しています。
高所得者ほど有利な「所得控除」方式の見直しにより、低所得者により税負担の少ない制度を目指して2017年度税制改正大綱に「夫婦控除に移行」を盛り込み、来年の通常国会で関連法の改正を目指す意向です。

Trackback URL

Comment & Trackback

No comments.

Comment feed

Comment





XHTML: You can use these tags:
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>