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2016.08.22

気になにませんか?相続税の調査の選定基準(新)2016年

相続税も申告されたものがすべて調査されるわけではありませんが、事前の調査の中から不審があれば実地の調査が行われます。
平成27年1月1日からの相続税の課税ベース拡大により、相続税の申告件数が増加傾向にあるといいます。これを踏まえ国税当局では、平成29事務年度(H29.7~H30.6)以降に実地調査の選定基準等を含め審理事務を見直すための検討作業に着手しているそうです。いままで以上に調査の対象事案を厳選することによって、より効率的・重点的な調査が行われることになるようです。

1.平成27事務年度に新基準での調査選定を試行済み

相続税の課税ベース拡大で申告件数が増加する一方、国税当局全体の職員、ひいては資産課税部門の職員数は横ばいのようです。
国税当局は、相続税の申告審理事務量の増加の抑制、及び調査の対象事案を“厳選”するため、調査対象となるかを判断する選定基準の改正を含め審理事務を見直すこととしています。
この見直しに先立ち、平成27事務年度(H27.7~H28.6)において、試行的に新たな調査選定基準(新基準)に該当する調査対象事案の選定が行われました。

2.全国17署での試行を指示し実施済み

施行された新基準に該当する調査対象事案の選定は、原則、資産課税部門のなかで1部、2部など複数の部門がある中規模以上の税務署で行われました。国税庁は全国17署での実施を各国税局等に指示し、具体的に実施する署は各局等が選びました。東京国税局では3税務署、大阪・名古屋・関東信越国税局では、それぞれ2税務署、それ以外の局等では各1税務署ですが、国税局等によっては指示された数以上の署で新基準の施行を実施したこともあり得るようです。

3.新基準による判定結果を4つに区分

新基準に基づく調査選定の試行において、その新たな基準に沿って事案を判定した結果を「実調」、「事後」、「非課税」、「省略」の4つに区分するそうです。以下の(2)~(4)の3つについては新基準に該当しないことになります。
この新基準については、いわゆる超富裕層PT(一定の富裕層に対し特別な管理体制を敷くプロジェクトチーム)でいう“形式基準”や“実質基準”のような保有する資産の見込額などといった、一定の指標が設けられていることが考えられます。

(1)実調(新基準に該当)

「実調」に区分された事案は新基準に該当するものとして、実地調査又は机上調査のいずれかに着手する流れとなります。

(2)事後(納税者に接触)

「事後」は納税者へ何らかの形で接触する流れとなります。

(3)非課税(税額なし)

「非課税」は税額なしとなる区分です。

(4)省略(調査なし)

「省略」は税務調査なしの流れとなります。

4.平成28事務年度には新基準の試行に基づく調査

平成27事務年度に選定した新基準に該当する調査対象事案については、基本的には、平成28事務年度(H28.7~H29.6)において実地調査又は机上調査を実施するそうです。この結果を踏まえて、平成29事務年度“以降”に全国において、新基準の導入が予定されています。具体的な導入時期は未定のようです。また、試行の結果によっては、今回施行された新基準等の内容を変更することなどもあり得るようです。

5.調査の厳選するも必要事案は漏れなく選定

今回の相続税の調査選定基準の見直しは、調査対象事案を“厳選”するためのものです。“厳選”することが、調査対象事案に該当する基準そのものを引き上げるものであれば、その影響としてより大口・悪質事案に調査の重点が置かれ、調査件数が今よりも減少することが考えられます。
しかし、ここでいう“厳選”とは、あくまで調査が必要な事案をより効率的に漏れなく選定するためのもので、必ずしも大口・悪質事案により調査の重点が置かれるということにはならない様です。
税務署では相続発生のずっと前より、被相続人に関する膨大な資料を蓄積しており、それらと申告内容とを照らし合わせたうえで、総合的な確認作業を行うために調査を行います。単に税務署に提出された相続税申告書の内容確認のためだけに、税務調査が行われるというわけではないのです。

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