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2016.08.02

どうなる相続人が家なき子の場合の空き家の譲渡特例と小規模宅地等特例の併用

相続人がいわゆる「家なき子」で相続により生じた空き家を改修して相続税申告期限後に被相続人居住用家屋等を譲渡した場合に、譲渡所得の特別控除を適用する特例が平成28年度税制改正により創設されました。ところで、その空き家に係る譲渡所得の特例と小規模宅地特例の適用関係が気になりませんか?この特例は、平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に譲渡した場合に適用されます。

1.譲渡所得の特例

平成28年度税制改正により創設されました「空き家に係る譲渡所得の3,000万円控除の特例」の適用要件は、次のとおりです。
その対象財産について、被相続人居住用家屋及び被相続人居住用家屋の敷地等としており、相続開始から譲渡の時まで事業、貸付、居住の用に供されていたことがないことを必要としています。

2.小規模宅地の特例との併用について

相続税における小規模宅地等の特例との適用関係については特に排除されておらず、特定居住用宅地等の適用要件を満たす「家なき子」に該当する場合には、措法69の4③二ロにより、特定居住用宅地等の適用対象となり、相続税の申告期限まで被相続人居住用家屋等を所有等すれば本特例を併用できることとなります。

3.小規模宅地特例は申告期限まで所有要件

本特例では、相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋及びその敷地等が対象であることから、相続の場面において、小規模宅地等の特例における被相続人の特定居住用宅地等に該当するか否かが気になるところです。
本特例については、措法35①③等により税法上、小規模宅地等の特例の適用を受けた者を排除する規定は設けられていません。

(1)小規模宅地等の特例における要件とは

小規模宅地等の特例において、特定居住用宅地等として330㎡まで80%の評価減の対象となる宅地等の要件は、次のとおりです。被相続人の配偶者が相続等で取得したもの、あるいは、①相続開始の直前において同居していた親族で、申告期限までに所有・居住していること、②配偶者も同居親族もいない場合、相続開始前3年以内に持家に居住したことがない親族が申告期限まで所有していること、③被相続人と生計を一にしていた親族で、申告期限までに所有・居住していることのいずれかの要件に該当する親族が取得したものとされています(措法69の4③二)。

(2)特例の併用に関する注意点

本特例では、相続開始から譲渡の時まで事業、貸付、居住の用に供されたことがないという要件がありますので、小規模宅地等の特例の適用対象と重なるのは、居住要件を求めない前述②のいわゆる“家なき子”が相続等をする場合の特定居住用宅地等に該当するケースに限られそうです(措法69の4③二ロ)。この場合には、相続税の申告期限まで所有を続ける必要がある点に留意してください。

4.相続と譲渡のまとめ

したがって、相続の場面では、小規模宅地等の特例の“家なき子”が相続開始から相続税の申告期限まで被相続人の居住用宅地等を所有するなど要件を満たせば、80%評価減の適用対象となります。また、譲渡の場面では、その家なき子が相続税の申告期限後、耐震改修又は除却等をした空き家に係る敷地等を一定期間内に譲渡する場合も、空き家に係る譲渡所得の3,000万円控除の特例についても適用を受けることが可能ということになります。

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