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2016.05.02

消費税の軽減税率の適用対象とケータリングや出張料理の場合

ケータリングや出張料理は、消費税の軽減税率の適用対象となる飲食料品の譲渡には含まれないとされています。相手方が指定した場所において行う役務を伴う飲食料品の提供であっても一定の基準を満たす飲食料品の提供については、消費税の軽減税率の適用対象とされています。ケータリングや出張料理の場合、家事代行の場合、有料老人ホームの飲食料品の提供の場合、学生食堂の場合、病院食の場合の事例を国税庁消費税軽減税率制度対応室が解説している「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」(個別事例編)の「外食の範囲」から整理すると以下の様になります。

1.ケータリングや出張料理の場合

軽減税率の適用対象となる飲食料品の譲渡には、相手方が指定した場所において行う加熱、調理又は給仕等の役務を伴う飲食料品の提供(いわゆるケータリング、出張料理)は含まれないこととされています。
(1)いわゆるケータリング、出張料理は、相手方が指定した場所で、飲食料品の提供を行う事業者が食材等を持参して調理して提供するものや、調理済みの食材を当該指定された場所で加熱して温かい状態で提供すること等をいい、具体的には以下のような場所が該当します。
① 相手方が指定した場所で飲食料品の盛り付けを行う場合
② 相手方が指定した場所で飲食料品が入っている器を配膳する場合
③ 相手方が指定した場所で飲食料品の提供とともに取り分け用の食器等を飲食に適する状態に配置等を行う場合
(2)したがって、いわゆる出張料理は、顧客の自宅で調理を行って飲食料品を提供していることから、相手方の指定した場所において行う役務を伴う飲食料品の提供に該当し、軽減税率の適用対象外となります。

2.軽減税率の適用対象とされるケータリング、出張料理の基準

相手方が指定した場所において行う役務を伴う飲食料品の提供であっても、次の施設において行う一定の基準を満たす飲食料品の提供については、軽減税率の適用対象とされています。その一定の基準は、下記①~⑦の施設の設置者等が同一の日に同一の者に対して行う飲食料品の提供の対価の額(税抜き)が一食につき640円以下であるもののうち、その累計額が1,920円に達するまでの飲食料品の提供であることとされています。また、累計額の計算方法につきあらかじめ書面で定めている場合にはその方法によることとされています。
① 老人福祉法第29条第1項の規定による届出が行われている有料老人ホームにおいて、当該有料老人ホームの設置者又は運営者が、当該有料老人ホームの一定の入居者に対して行う飲食料品の提供
その一定の入居者は、60歳以上の者、要介護認定・要支援認定を受けている60歳未満の者又はそれらの者の配偶者に限られます。
② 高齢者の住居の安定確保に関する法律第6条第1項に規定する登録を受けたサービス付き高齢者向け住宅において、当該サービス付き高齢者向け住宅の設置者又は運営者が、当該サービス付き高齢者向け住宅の入居者に対して行う飲食料品の提供
③ 学校給食法第3条第2項に規定する義務教育諸学校の施設において、当該義務教育諸学校の設置者が、その児童又は生徒の全て(※)に対して学校給食として行う飲食料品の提供
④ 夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律第2条に規定する夜間課程を置く高等学校の施設において、当該高等学校の設置者が、当該夜間課程において行う教育を受ける生徒の全て(※)に対して夜間学校給食として行う飲食料品の提供
⑤ 特別支援学校の幼稚部又は高等部における学校給食に関する法律第2条に規定する特別支援学校の幼稚部又は高等部の施設において、当該特別支援学校の設置者が、その幼児又は生徒の全て(※)に対して学校給食として行う飲食料品の提供
⑥ 学校教育法第1条に規定する幼稚園の施設において、当該幼稚園の設置者が、その施設で教育を受ける幼児の全て(1)に対して行う学校給食に準じて行う飲食料品の提供⑦ 学校教育法第1条に規定する特別支援学校に設置される寄宿舎において、当該寄宿舎の設置者が、当該寄宿舎に寄宿する幼児、児童又は生徒に対して行う飲食料品の提供
※ アレルギーなどの個別事情により全ての児童又は生徒に対して提供することができなかったとしても軽減税率の適用対象となります。

3.家事代行の場合

軽減税率の適用対象となる飲食料品の譲渡には、相手方が指定した場所において行う加熱、調理又は給仕等の役務を伴う飲食料品の提供(いわゆるケータリング、出張料理)は含まれないこととされています。
顧客の自宅で料理を行い、飲食料品を提供するサービスは、いわゆるケータリング、出張料理に該当しますので、軽減税率の適用対象外となります。

4.出前、配達など出張の適用税率

そばの出前、宅配ピザの配達は、顧客の指定した場所まで単に飲食料品を届けるだけであるため、飲食料品の譲渡に該当し、軽減税率の適用対象となります。
(注)顧客の指定した場所まで単に飲食料品を届けることは、食事の提供には該当せず、また、いわゆるケータリング、出張料理にも該当しません。

5.有料老人ホームの飲食料品の提供の場合

(1)軽減税率の適用対象となる有料老人ホームにおいて行う飲食料品の提供とは、老人福祉法第29条第1項の規定による届出が行われている有料老人ホームにおいて、当該有料老人ホームの設置者又は運営者が、当該有料老人ホームの一定の入居者に対して行う飲食料品の提供をいいます。
(2)また、軽減税率の適用対象となるサービス付き高齢者向け住宅において行う飲食料品の提供とは、高齢者の住居の安定確保に関する法律第6条第1項に規定する登録を受けたサービス付き高齢者向け住宅において、当該サービス付き高齢者向け住宅の設置者又は運営者が、当該サービス付き高齢者向け住宅の入居者に対して行う飲食料品の提供をいいます。
(3)これらの場合において、有料老人ホーム等の設置者又は運営者が、同一の日に同一の者に対して行う飲食料品の提供の対価の額(税抜)が一食につき640円以下であるもののうち、その累計額が1,920円に達するまでの飲食料品の提供であることとされています。
(4)ただし、設置者等が同一の日に同一の入居者等に対して行う飲食料品の提供のうち、その累計額の計算の対象となる飲食料品の提供(640円以下のものに限る。)をあらかじめ書面により明らかにしている場合には、その対象飲食料品の提供の対価の額によりその累計額を計算するものとされています。
(5)例えば、有料老人ホームで、税抜価格、朝食500円、昼食550円、夕食640円で、昼食と夕食の間の15時に500円の間食を提供している時は、あらかじめ書面により、その累計額の計算の対象となる飲食料品の提供を明らかにしていない場合は以下のとおりとなります。
朝食(軽減)   昼食(軽減)   間食(軽減)   夕食(標準)   合計(内軽減税率対象)
500<=640円 550<=640円 500<=640円 640<=640円 = 2,190円(1,550円)
(累計500円) (累計1,050円) (累計1,550円) (累計2,190円)
夕食は、一食につき640円以下ですが、朝食から夕食までの対価の額の累計額が1,920円を超えていますので、夕食については、軽減税率の適用対象外となります。
(6)なお、あらかじめ書面において、累計額の計算の対象となる飲食料品の提供を、朝食、昼食、夕食としていた場合は以下のとおりとなります。
朝食(軽減)   昼食(軽減)   間食(標準)   夕食(軽減)   合計(内軽減税率対象)
500<=640円 550<=640円 500<=640円 640<=640円 = 2,190円(1,690円)
(累計500円) (累計1,050円) 累計対象外(累計1,690円)

6.学生食堂の場合

(1)軽減税率の適用対象となる学校給食とは、学校給食法第3条第2項に規定する義務教育諸学校の施設において、当該施設の設置者が、その児童又は生徒の全てに対して学校給食として行う飲食料品の提供をいいますので、利用が選択制である学生食堂での飲食料品の提供はこれに該当しません。
(2)また、学生食堂での飲食料品の提供は、飲食設備のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供に該当しますので、軽減税率の適用対象外となります。
(3)学校給食法第3条第2項に規定する義務教育諸学校とは、
第3条 この法律で学校給食とは、前条各号に掲げる目標を達成するために、義務教育諸学校において、その児童又は生徒に対し実施される給食をいう。
第2項 この法律で義務教育諸学校とは、学校教育法に規定する小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校の前期課程又は特別支援学校の小学部若しくは中等部をいう。

7.病院食の場合

健康保険法等の規定に基づく入院時食事治療費に係る病院食の提供は非課税とされていることから、消費税は課されません。
なお、患者の自己選択により、特別メニューの食事の提供を受けている場合に支払う特別の料金については、非課税となりません。また、病室等で役務を伴う飲食料品の提供を行うものですので、飲食料品の譲渡に該当せず、軽減税率の適用対象外となります。

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