« | »

2016.04.29

消費税の適用税率の判定について一体資産・一体商品の譲渡の場合

一体資産・一体商品の譲渡の場合においては、軽減税率の適用要件の適否によって、適用税率の判定を行う必要があります。一体商品の全体が軽減税率の適用対象となる場合、一体商品の全体が軽減税率の対象とならない場合があります。
一体資産・一体商品の譲渡においても適用税率8%で仕入れて10%で販売することもあります。一体資産では、税抜の販売価格(譲渡対価)が1万円以下(金額要件)、かつ食品部分の原価等の割合が3分の2以上のものに軽減税率が適用される。たとえ同一商品であっても、消費者が割引券を使うなどすることで販売価格が変わり、取引によって金額要件の充足性が異なることもある。この商品を仕入れてそれを消費者に販売する取引で税率が異なることも生じ得ます。
例えば、スーパー等が一体資産を1個8,000円で仕入れ、1万2,000円で消費者に販売した場合、仕入れに係る取引では金額要件を満たすが、消費者に販売する取引では金額要件を満たさない。この場合、食品部分の原価等の割合が3分の2以上の要件を満たすものであれば、仕入れには8%が適用されるが、店頭で販売する際には10%が適用される。

1.商品1個の価格で金額要件・適用税率を判定

スーパー等の小売店がメーカー等から商品を仕入れる場合、いわゆるロット単位で行われることがある。商品1個を取引単位にするのではなく、例えば1ロット=商品10個として、最低取引単位を1ロットからと定めるといったものだ。
この場合、1ロットに係る販売価格が1万円を超えていても、そのうち1個1個の商品の価格が1万円以下になれば、金額要件を満たすという。
例えば、メーカー等が同一の一体資産を1ロット(商品10個)税抜5万円でスーパー等に販売する場合、商品1個当たりの販売価格は税抜5千円(5万円/10個)となるため、金額要件をクリアする。商品1個につき食品部分の原価等の割合が3分の2以上の要件も満たせば、この5万円の取引には税率8%が適用される。

2.菓子と玩具により構成されるいわゆる食玩

食品と食品以外の資産が一体として販売されるもの(あらかじめ一の資産を形成し、又は構成しているものであって、その一の資産に係る価格のみが提示されているもの。)は、次のいずれの要件も満たす場合、その全体が軽減税率の適用対象となります。
① 一体資産の譲渡の対価の額(税抜価額)1万円以下であること
② 一体資産の価額のうちに当該一体資産に含まれる食品に係る部分の価額の占める割合として合理的な方法により計算した割合が3分の2以上であること
したがって、菓子と玩具により構成されている、いわゆる食玩は、商品が①及び②に該当する場合には、飲食料品に含まれることから、その販売は飲食料品の譲渡に該当し、軽減税率の適用対象となります。

3.高価な容器に盛り付けられた洋菓子

飲食料品の販売に際し、使用される容器が、その販売に付帯して通常必要なものとして使用されるものであるときは、その容器も含め、飲食料品の譲渡に該当します。
食品と食品以外の資産が一体として販売されるもの(あらかじめ一の資産を形成し、又は構成しているものであって、その一の資産に係る価格のみが提示されているもの。)は、次のいずれの要件も満たす場合、その全体が軽減税率の適用対象となります。
① 一体資産の譲渡の対価の額(税抜価額)1万円以下であること
② 一体資産の価額のうちに当該一体資産に含まれる食品に係る部分の価額の占める割合として合理的な方法により計算した割合が3分の2以上であること
ケーキ等の洋菓子をカップ等の専用容器に盛り付けて販売している商品で、洋菓子より専用容器の方が高価である場合は、②に該当しないため、飲食料品に含まれません。
したがって、この場合の洋菓子と専用容器の販売は、商品全体が軽減税率の適用対象となりません。

4.食品と食品以外の資産で構成された福袋の販売

食品と食品以外の資産が一体として販売されるもの(あらかじめ一の資産を形成し、又は構成しているものであって、その一の資産に係る価格のみが提示されているもの。)は、次のいずれの要件も満たす場合、その全体が軽減税率の適用対象となります。
① 一体資産の譲渡の対価の額(税抜価額)1万円以下であること
② 一体資産の価額のうちに当該一体資産に含まれる食品に係る部分の価額の占める割合として合理的な方法により計算した割合が3分の2以上であること
したがって、食品と食品以外の商品で構成された福袋が、①及び②に該当する場合には、飲食料品に含まれることから、その販売は飲食料品の譲渡に該当し、軽減税率の適用対象となります。

5.一体資産に含まれる食品に係る部分の割合として合理的な方法により計算した割合

食品と食品以外の資産が一体として販売されるもの(あらかじめ一の資産を形成し、又は構成しているものであって、その一の資産に係る価格のみが提示されているもの。)は、次のいずれの要件も満たす場合、その全体が軽減税率の適用対象となります。
イ 一体資産の譲渡の対価の額(税抜価額)1万円以下であること
ロ 一体資産の価額のうちに当該一体資産に含まれる食品に係る部分の価額の占める割合として合理的な方法により計算した割合が3分の2以上であること
ロの割合は、事業者の販売する商品や販売実態等に応じ、例えば、次の割合など、事業者が合理的に算出した割合であればこれによって差し支えないとされています。
① その一体資産の譲渡に係る売価のうち、合理的に計算した食品の売価の占める割合
② その一体資産の譲渡に係る原価のうち、合理的に計算した食品の原価の占める割合
例えば、仕入価格(税込み)が450円の紅茶と200円のティーカップをパッケージングしてセット商品として税抜き価格1,000円で販売する場合は、次のとおり②に示した計算方法によって計算し、その結果食品に係る部分の割合が3分の2以上であるものに該当します。
食品の原価  一体資産の
         譲渡の原価  一体資産の譲渡の原価のうち食品の占める割合
450円 /  650円   ≒ 69.2% > = 3分の2(66.666…%)
したがって、この商品は、食品と食品以外の資産をセット商品として1,000円という価格のみを提示して販売していることから、一体資産に該当し、その対価の額が1万円以下であり、かつ、食品に係る部分の価額の占める割合が3分の2以上のものとなりますので、その販売は、全体が軽減税率の適用対象となります。

6.食品と酒類のセット販売時の一括値引販売

一体資産とは、食品と食品以外の資産があらかじめ一の資産を形成し、又は構成しているもの(一の資産に係る価格のみが提示されているものに限ります。)をいいます。
例えば、ビールと惣菜をそれぞれ別々の商品として販売している場合に、これらの商品を組み合わせて、一括で値引きを行って販売するときは、あらかじめ一の資産を形成し、又は構成しているものではないことから、一体資産に該当しません。
なお、一括して値引きを行った場合のそれぞれの値引き後の対価の額は、それぞれの資産の値引き前の対価の額等により按分するなど合理的に算出することとなります。
また、惣菜(食品)の販売は、飲食料品の譲渡に該当し、軽減税率の適用対象となりますが、酒税法に規定する酒類であるビールの販売は、軽減税率の適用対象となりません。 (参考) 例えば、顧客が割引券等を利用したことにより、これら同時に行った資産の譲渡等を対象として一括して対価の額の値引きが行われており、その資産の譲渡等に係る適用税率ごとの値引額又は値引額控除後の対価の額が明らかでないときは、割引券等による値引額をその資産の譲渡等係る価額の比率により按分し、適用税率ごとの値引額及び値引額控除後の対価の額を区分することとされています。
当該資産の譲渡等に際して顧客へ交付する領収書等の書類により適用税率ごとの値引額又は値引額控除後の対価の額が確認できるときは、当該資産の譲渡等に係る値引額又は値引額控除後の対価の額が、適用税率ごとに合理的に区分されているものに該当することとされています。

7.合理的な割合が不明な小売事業者等の場合

例えば、小売業を営んで食玩を販売し、その食玩に含まれる食品に係る部分の価額に占める割合が不明である場合には、仕入れの際に仕入先が適用した税率を適用して販売することも認められることがあります。
小売業や卸売業等を営む事業者が、一体資産に該当する商品を仕入れて販売する場合において、販売する対価の額(税抜)が1万円以下であれば、その課税仕入れのときに仕入先が適用した税率をそのまま適用して差し支えないとされています。

Trackback URL

Comment & Trackback

No comments.

Comment feed

Comment





XHTML: You can use these tags:
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>